Author:やる夫達のいる日常
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-‐: : : : :…‐-. . . __ ノ 読者投稿:光学入門
: : : : : : : ⌒7⌒\ : : : : : : :<
/: : : : : :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : \__ 第1回 光の速さ
//: : : :/: : : : : : : : : : : :: ::\ //⌒ヽ: :ノ
⌒7 : : : : / : /: : : : : : : : : : : : : : : | {:::::::::::::::
/ : : : : / : /.: : : : : : : : : : : : : : : :乂 \_::::ノ :.、 読者投稿希望ネタの「光学全般」にお応えして
/ : : : : /: : : :| : : : : : : : |: : : : : : :( )>―‐く : : :\
: : : : : : : : | :| : : : : : : : |: : : : : : : : ̄: : : : : : : : : : : :\ 光学の解説をしてみようと思います。
/: : : : : : |: : :| :| : : : : : : : |\: : : :|: : :|: ::| : : : : : : : : :\
/: : : : : : : |_ 斗‐‐-ミ: : : : :|:斗-‐‐|-ミ|: ::|: : : : : : |: : :|⌒
厶|: : : / : : | :|八 |八: : : : : :| 八:: :: |:Λ|: ::|: : : | : |:|: :N どのように説明するのが良いかいろいろ考えたのですが、
|: : / : : /|x|荻うミト\{\{ xf荻うテミト :|: : : | : |:|: :|
|::Λ:: :/ 八 乂;;ツ 乂;;;ツ |: :|: : : | : |:|V| 光の速さから話を始めてみることにしました。
|/ | ∨: : : :\ , , ノ: 八: : | : l:|
乂 : : : : Λ ' ' ´ イ(: : : :ノ ノノ
/ ̄ ̄ 人 .,_ _ イ:>――<
. {____个 ィ: : :〔‐‐--===〕
|: : : : : : | /::::> < |/::::::厂 ̄ ∨\
|: : : : : : |/::::/:| |::::::: / : : : : : |ニニ)
|: : : : : : |/:::/ /\:/ : : : : : : | / |
/: : : : : : :|:::/{ / /::|: : : : : : :/ニニ=- _ 【投稿者代理 結月ゆかり】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
理系ネタの投下、もっと増えてほしいな(願望)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2/8
____
´ ` 、
/ \ 日常の経験から考えると、光は一瞬で伝わるように思われます。
/ __ γ⌒ヽ,_ヽ 実際、有名なギリシャの科学者アリストテレスは
/ / } {( ){ }_ , 「光の速さは無限大である」と予想しました。
/ /-{、 イ⌒ ゝ='^ゝ __.ノ : ′ 一方で、同時代の学者エンペドクレスは、
} :{ { .ハ }\ ヽ :} } } { 「光の速さは有限だが非常に高速である」と考えました。
} :{ 斧ミ∨\芹弍k V :} } {
从{ 代ツ 弋ツ }\__Vハ :′ 〈. 「光の速さは有限か無限か」というこの古い問題に答えが出たのは、
人 :} ' ノイ ./ }/ ハゝ ずっと時代の下った1676年になってのことです。
イ} V\ - 一 ノ ./ /ハ / 人
ノ .ハ/V> ___ イ}/ / j/{( 大航海時代のただ中の当時、ある地点の経度を知ることは
/ / } /ニニ} // //}从┐ 航海や地図作成の上で非常に重要でした。それには正確な時間を
. // イニ{ニ/ __/ニ/ /ニ/ニニ! 知る必要があります(*1)が、当時の時計は全く信用ならないものでした。
/ / /ニ{二二/|/7ニ/./ /ニ/二二,{ そこで、天文現象を使うことが考えられました。天文現象ならどこから
<\}/ {二\ニ{/\/ニ}_{__/_/ニニニ/∧. 観測しても同じ時間に起きるので、時計の代わりになるからです。
_/\>′ }ニ/ニ>{ー/ー「=」-/ニニニ////\ そして木星の衛星(*2)が木星の背後に隠れる現象(木星食)が
./´/ :} /}ニ,ニニニ}:::{ニニ/ ̄ Vニニニ∧,/////\ この目的に使われることとなりました。
} ,/ ノ //}_{ニニニ::::{ニ./ {.ニニ/ ∨//////> .,____
}/{ ムイ .///{_}ニニニ/:::::{ニ{ { }ニニ.ハ \//////////////ヽ
乂( ////}}ニニ./===}-{ { /ニニ/ \/////////////}
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(*1) ある地点での正確な時間がわかっていれば、現在の地点で太陽や星が最も高くなる時刻を測ることで、
時間がわかっている地点と現在の地点との経度の差が求められます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(*2) 1610年、ガリレオ・ガリレイが自作の望遠鏡で発見しました。
望遠鏡の解説もいずれしたいですがいつになるやら…
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3/8
. -――‐- .
. . ´: : : : : : : : : : : : : : : .
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \ ここで意外な事実が判明しました。木星の衛星は木星の周りを一定の周期で
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ .回っているので、食も一定の間隔で起きるはずですが、
,′: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ` .実際にはその間隔に変動があったのです。
∥.: : : : :|.: : :|: : : :/|: : : : : : : : : : : : : : ’
/! : : : : : |: : : :|:/ /-|: :/|: : : : : : : : l: : : :l その理由について考えていたオーレ・レーマーは、光の速さが有限であるとすれば、
/ |: : : :'¨`|: : : :.|.:/ |/ |: /: /: /!: :l: : : :| 変動をうまく説明できることに気づきました。
l; : : :乂リ: : : : |r―-ミ、 ∨ /: / }`メ、 : : | 木星と地球の距離は一定ではない(*3)ので、光の速さが有限であれば
ノ}: : : : /|: : : : 八ん_リ ∨/_,イ// : l || 食の間隔はばらつくことになるわけです。
从ハ : : | : : : ' ! `¨´ '´んリ`小: :ノ从
∨!| : : : : | ,`¨´,仏イ こうして、光は有限の速さで進むと結論付けられ、レーマーはその速さを
___从|: : : : :j ∥.:!;′ 21万km/sと算出しました。
/i´.:. :. .:/ <====>  ̄` ィ : : j その後、ブラッドレー、フィゾー、フーコーらにより様々な方法(*4)で
. /ニ`'ー--〈 |: : : :| /≧ー‐ ´ <===> 光の速さの測定が行われ、1862年には29万8000km/sという
/=,r===x、_\|: : : :|. / ̄ヽ__ | : : | 非常に正確な値が得られました(*5)。
/_/ニニニニ二≧|: : : :|∧ .:. .:. ./\ | : : |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(*3) 地動説はこのころには受け入れられていました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(*4) ブラッドレーは地球の公転により星が見える角度が変化する現象(年周光行差)から、フィゾーはおもりの落下により
高速回転する歯車を使って、フーコーは蒸気タービンで回転する鏡を使って光の速さを求めました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(*5) ここまでに出てきた光の速さの数値は真空中・空気中でのものです。今後解説予定ですが、水中等では異なります。
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4/8
. -――‐- . 一方で、このころ「電磁波」という現象が見つかりました。
. . ´: : : : : : : : : : : : : : : .
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \ 電磁波とは何かを理解するには、まず電場と磁場について説明しなくてはなりません。
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ 小学生のころ、下敷きをこすって髪に近づけ、髪を持ち上げて遊んだ経験はないでしょうか。
,′: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ` これは髪と下敷きにプラスとマイナスの電荷がたまり、それらが引き付け合うために起こる現象です。
∥.: : : : :|.: : :|: : : :/|: : : : : : : : : : : : : : ’ 現代の科学では、電荷の間に働く力は電場によって伝わると考えます。
/! : : : : : |: : : :|:/ /-|: :/|: : : : : : : : l: : : :l
/ |: : : :'¨`|: : : :.|.:/ |/ |: /: /: /!: :l: : : :| 電場とは何かを説明するのはなかなか難しいのですが、風をイメージしてください。
l; : : :乂リ: : : : |r―-ミ、 ∨ /: / }`メ、 : : | 場所によって風速や風向は違いますよね。そして風が強いところでは、
ノ}: : : : /|: : : : 八ん_リ ∨/_,イ// : l || 風下に飛ばされそうになりますが、風が弱いところではそのようなことはないでしょう。
从ハ : : | : : : ' ! `¨´ '´んリ`小: :ノ从
∨!| : : : : | ,`¨´,仏イ 電場も風と似たようなものです。電荷は、今いる場所の電場の方向に力を受けます。
___从|: : : : :j ∥.:!;′ そしてその力の大きさは、(電荷の大きさ)×(その地点での電場の強さ)となります。
/i´.:. :. .:/ <====>  ̄` ィ : : j (大きさがマイナスの場合は、電場の方向の反対に力を受けることになります。)
. /ニ`'ー--〈 |: : : :| /≧ー‐ ´ <===> また各点での電場の向きや大きさは、電荷により変化すると考えます。
/=,r===x、_\|: : : :|. / ̄ヽ__ | : : | このようにして電荷の間に力が働くことが説明されるのです。
/_/ニニニニ二≧|: : : :|∧ .:. .:. ./\ | : : | 磁石の間に働く力についても、全く同様に磁場というものを考えることができます。
____
´ ` 、
/ \
/ __ γ⌒ヽ,_ヽ さて1800年代に入ると、電場の変化によって磁場が変化し、磁場の変化によって
/ / } {( ){ }_) , 電場が変化するということが発見されました。
/ /-{、 イ⌒ ゝ='^ゝ __.ノ : ′
} :{ { .ハ }\ ヽ :} } } { 1864年、ジェームズ・クラーク・マクスウェルは、この現象を方程式にまとめ、
} :{ 斧ミ∨\芹弍k V :} } { それに基づいて電場の変化と磁場の変化が電場と磁場の中(*6)を波のように
从{ 代ツ 弋ツ }\__Vハ :′ 〈 進んでいく現象の存在を予測しました。
人 :} ' ノイ ./ }/ ハゝ
イ} V\ - 一 ノ ./ /ハ / 人 これが電磁波であり、のちにハインリヒ・ヘルツによって実在が確かめられました。
ノ .ハ/V> ___ イ}/ / j/{( そしてマクスウェルの理論と計算によると、電磁波の速さは光の速さとほぼ同じになったのです。
/ / } /ニニ} // //}从┐
. // イニ{ニ/ __/ニ/ /ニ/ニニ! こうして、「光は電磁波の一種である」ということが広く受け入れられるようになりました。
/ / /ニ{二二/|/7ニ/./ /ニ/二二,{
<\}/ {二\ニ{/\/ニ}_{__/_/ニニニ/∧ ちなみに、電子レンジに使われているマイクロ波や、レントゲンに用いられているX線、
_/\>′ }ニ/ニ>{ー/ー「=」-/ニニニ////\ テレビの放送に使われる電波も電磁波の一種ですね。
./´/ :} /}ニ,ニニニ}:::{ニニ/ ̄ Vニニニ∧,/////\
} ,/ ノ //}_{ニニニ::::{ニ./ {.ニニ/ ∨//////> .,____
}/{ ムイ .///{_}ニニニ/:::::{ニ{ { }ニニ.ハ \//////////////ヽ
乂( ////}}ニニ./===}-{ { /ニニ/ \/////////////}
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(*6) 当時は、電場や磁場は空間のいたるところに広がる何らかの物質の性質だと考えられていました。
.この理論上の物質は「エーテル(Aether)」と呼ばれました。従って、電磁波もエーテルの中を伝わる
.波だと考えられていたことになりますが、ここでは電場や磁場はそれ自体独立に存在するという
.現在の考え方に基づいた表現をしています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
5/8
. -――‐- . ここで一つ注意しておかなければならないことがあります。
. . ´: : : : : : : : : : : : : : : . マクスウェルの理論によれば、光(=電磁波)の速さは必ず一定の値となるということです。
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ これは音と似た性質です。例えば空気に対する音の速さは、気温の影響を考えなければ
,′: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ` 一定となります。風が吹いている場合でも空気に対する音の速さは一定ですが、
∥.: : : : :|.: : :|: : : :/|: : : : : : : : : : : : : : ’ 地面に対する音の速さは風速の分だけ変化します。
/! : : : : : |: : : :|:/ /-|: :/|: : : : : : : : l: : : :l もう少し一般的に述べるならば、
/ |: : : :'¨`|: : : :.|.:/ |/ |: /: /: /!: :l: : : :| 「音の速さは(空気や水などの)音が伝わる物質に対して一定となる」ということです。
l; : : :乂リ: : : : |r―-ミ、 ∨ /: / }`メ、 : : |
ノ}: : : : /|: : : : 八ん_リ ∨/_,イ// : l || これと同様に、光も電場と磁場(まとめて電磁場と呼ぶことにします)に対して
从ハ : : | : : : ' ! `¨´ '´んリ`小: :ノ从 一定の速さで伝わると考えられました。
∨!| : : : : | ,`¨´,仏イ もしそうなら、上手い測定をすれば地球の電磁場に対する速度が測定できるはずです。
___从|: : : : :j ∥.:!;′
/i´.:. :. .:/ <====>  ̄` ィ : : j 1887年、アルバート・マイケルソンとエドワード・モーリーは、以下のAAのような装置
. /ニ`'ー--〈 |: : : :| /≧ー‐ ´ <===> (マイケルソン干渉計)を使い、実際に地球の電磁場に対する速度の測定を試みました。
/=,r===x、_\|: : : :|. / ̄ヽ__ | : : |
/_/ニニニニ二≧|: : : :|∧ .:. .:. ./\ | : : |
<マイケルソン干渉計の模式図>
※ハーフミラーから鏡アと鏡イまでの距離はほぼ等しい。
またこのAAは真上から見た図です。
┌───┐
|検出器| この装置では、光源から出た光は、
└───┘ 「光源→ハーフミラー →鏡ア→ハーフミラー →検出器」と
| 「光源→ハーフミラー →鏡イ→ハーフミラー →検出器」という
| 2通りの経路にそって進み、検出器に入ります。
|
ハーフミラー . | 装置全体は地球の動きに伴って電磁場に対して運動しているので、
↓ | この2通りの経路のうち「ハーフミラー →鏡ア→ハーフミラー」と
┌─┐ \ | 「ハーフミラー →鏡イ→ハーフミラー」の部分を光が通るのに
|光| \|_______| 鏡 かかる時間に差が出て(*7)、地球の電磁場に対する速さが測定
|源| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|ヽ. | ア できるはずでした(*8)。
└─┘ | \
|
|←光が通る道すじ
|
|
 ̄ ̄
鏡イ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(*7)[この注釈は、特に気になる人だけが読んでください]
装置全体がAA内で右方向に速さ u で動いているとして計算します。光の速さを c 、
ハーフミラーと鏡アおよびイまでの距離が厳密に等しいとし、これを L とします。
光が「ハーフミラー →鏡ア」と進むのにかかる時間を t1 とすると、ct1 = L + ut1 が成り立つので t1 = L / (c - u) となります。
一方光が「鏡ア→ハーフミラー」と進むのにかかる時間をt2とすれば、 ct2 = L - ut2が成り立つので t2 = L / (c + u) となります。
よって、光が「ハーフミラー →鏡ア→ハーフミラー」と進むのにかかる時間は、t1とt2を足して (2L / c) *[1/ {1 - (u / c)^2}] となります。
一方、「ハーフミラー →鏡イ→ハーフミラー」の経路では、ハーフミラーと鏡イが右方向に動くため、
光はV字型の経路を通ることになります。このことに注意すると、ピタゴラスの定理を用いることで、
光が「ハーフミラー →鏡イ」と進むのにかかる時間、および光が「鏡イ→ハーフミラー」と進むのにかかる時間がいずれも等しく、
L/√(c^2-u^2)となることがわかります。
よって光が「ハーフミラー →鏡イ→ハーフミラー」と進むのにかかる時間は、 (2L / c) * [1 / √{1 - (u / c)^2}] となります。
これは上で求めた光が「ハーフミラー →鏡ア→ハーフミラー」と進むのにかかる時間とは異なっています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(*8) 実際の測定においては、装置の向きを変えて測定を繰り返すことで、ハーフミラーと鏡アおよびイまでの距離の誤差の影響を
排除しました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
6/8
. -――‐- .
. . ´: : : : : : : : : : : : : : : .
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \ しかしこの測定では、有意な時間差を検出することはできませんでした。
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
,′: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ` この結果は、光の速さは、電磁場に対してのみ一定なのではなく、
∥.: : : : :|.: : :|: : : :/|: : : : : : : : : : : : : : ’ 誰から見ても一定(*9)なのだということを示唆しています。
/! : : : : : |: : : :|:/ /-|: :/|: : : : : : : : l: : : :l
/ |: : : :'¨`|: : : :.|.:/ |/ |: /: /: /!: :l: : : :| そして誰から見ても光の速さが一定となるように、見る人に応じて
l; : : :乂リ: : : : |r―-ミ、 ∨ /: / }`メ、 : : | 距離と時間の方が変化する理論を作ることができます。
ノ}: : : : /|: : : : 八ん_リ ∨/_,イ// : l ||
从ハ : : | : : : ' ! `¨´ '´んリ`小: :ノ从 これこそが「相対性理論」です。
∨!| : : : : | ,`¨´,仏イ
___从|: : : : :j ∥.:!;′ この後相対性理論は様々な検証を受け、
/i´.:. :. .:/ <====>  ̄` ィ : : j 今日では自然現象をうまく説明する理論として受け入れられています。
. /ニ`'ー--〈 |: : : :| /≧ー‐ ´ <===>
/=,r===x、_\|: : : :|. / ̄ヽ__ | : : |
/_/ニニニニ二≧|: : : :|∧ .:. .:. ./\ | : : |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(*9) 本当に誰から見ても一定なわけではなく、観測者が「慣性系」にいなければいけませんが、
完全に相対性理論の範疇の話なので割愛します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
7/8
____
´ ` 、
/ \
/ __ γ⌒ヽ,_ヽ
/ / } {( ){ }_) ,
/ /-{、 イ⌒ ゝ='^ゝ __.ノ : ′ そして光の速さが誰から見ても一定であることから、
} :{ { .ハ }\ ヽ :} } } {
} :{ 斧ミ∨\芹弍k V :} } { これを単位を決める基準にしようという考えが生まれました。
从{ 代ツ 弋ツ }\__Vハ :′ 〈
人 :} ' ノイ ./ }/ ハゝ 現在では、「光が真空中で1秒(*10)間に進む距離の2億9979万2458分の1」が
イ} V\ - 一 ノ ./ /ハ / 人
ノ .ハ/V> ___ イ}/ / j/{( 1mの定義となっています。
/ / } /ニニ} // //}从┐
. // イニ{ニ/ __/ニ/ /ニ/ニニ!
/ / /ニ{二二/|/7ニ/./ /ニ/二二,{ …っと、ちょっと脱線しすぎましたね。
<\}/ {二\ニ{/\/ニ}_{__/_/ニニニ/∧
_/\>′ }ニ/ニ>{ー/ー「=」-/ニニニ////\ それではこのあたりでまとめに入りましょうか。
./´/ :} /}ニ,ニニニ}:::{ニニ/ ̄ Vニニニ∧,/////\
} ,/ ノ //}_{ニニニ::::{ニ./ {.ニニ/ ∨//////> .,____
}/{ ムイ .///{_}ニニニ/:::::{ニ{ { }ニニ.ハ \//////////////ヽ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(*10) 1秒はセシウム原子を用いた原子時計によって、メートルに依存することなく定められます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
8/8
-‐: : : : :…‐-. . . __ ノ <今日のまとめ>
: : : : : : : ⌒7⌒\ : : : : : : :<
/: : : : : :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : \__ ・光の速さは有限。真空中での光の速さはおよそ30万km/s。
//: : : :/: : : : : : : : : : : :: ::\ //⌒ヽ: :ノ ・光は電磁波の一つ。電磁波は電磁場中にできる波で、
⌒7 : : : : / : /: : : : : : : : : : : : : : : | {::::::::::::::: 電場と磁場の向きや大きさの変化が伝わってゆく。
/ : : : : / : /.: : : : : : : : : : : : : : : :乂 \_::::ノ :.、
/ : : : : /: : : :| : : : : : : : |: : : : : : :( )>―‐く : : :\ 毎回最後にこのようなまとめをつけようと思います。
: : : : : : : : | :| : : : : : : : |: : : : : : : : ̄: : : : : : : : : : : :\ 投稿者がこれだけは伝えたいという内容を凝縮して書きますので、
/: : : : : : |: : :| :| : : : : : : : |\: : : :|: : :|: ::| : : : : : : : : :\ 「長い、3行で」という方も<今日のまとめ>の内容は理解して頂けると嬉しいです。
/: : : : : : : |_ 斗‐‐-ミ: : : : :|:斗-‐‐|-ミ|: ::|: : : : : : |: : :|⌒
厶|: : : / : : | :|八 |八: : : : : :| 八:: :: |:Λ|: ::|: : : | : |:|: :N
|: : / : : /|x|荻うミト\{\{ xf荻うテミト :|: : : | : |:|: :|
|::Λ:: :/ 八 乂;;ツ 乂;;;ツ |: :|: : : | : |:|V| 次回は、光の性質が「光は電磁波である」という事実に基づいて
|/ | ∨: : : :\ , , ノ: 八: : | : l:| どのように説明されるかについてみていこうと思います。
乂 : : : : Λ ' ' ´ イ(: : : :ノ ノノ
/ ̄ ̄ 人 .,_ _ イ:>――< 出来る限り数式に頼らず言葉で説明しましたがいかがだったでしょうか。
. {____个 ィ: : :〔‐‐--===〕 気になった点などありましたら気軽に質問してください。
|: : : : : : | /::::> < |/::::::厂 ̄ ∨\ .最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
|: : : : : : |/::::/:| |::::::: / : : : : : |ニニ)
|: : : : : : |/:::/ /\:/ : : : : : : | / | …マイケルソン干渉計のAA、AAMZ Viewerに採用されねーかな(ボソ
/: : : : : : :|:::/{ / /::|: : : : : : :/ニニ=- _
━━ 参考にしたもの一覧 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
英語版Wikipediaのspeed of lightの項
ttps://en.wikipedia.org/wiki/Speed_of_light
「FNの高校物理」様より「マイケルソン・モーリーの実験(1887年)」
ttp://fnorio.com/0135Michelson_Morley_1887/Michelson_Morley_1887.html
「FNの高校物理」様より「レーマーが光速度を計算した方法(1676年)」
ttp://fnorio.com/0128Romer_1676/Romer_1676.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
投下は以上です。(<おわり>って入れるの忘れてた…)
投稿乙
乙です
19世紀以前って考えてたより進んでいたんやね……
電磁波にも海の波と同じように、返す波があるんかな
投稿乙でした
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「媒質中で遅くなることはあり得る」って説明でお茶を濁してる解説が多いけど、特殊な物質じゃなくても屈折率は1未満になり得るわけで、そこで説明止めてはいけないと思う。俺は大学時代に位相速度と群速度を言われるままに計算して、式の上ではたしかにそうなることだけは確認したんだが、きちんと現象を理解できてる気はしてない。式を使わない説明をしてくれるって話だし、わかりやすい理解の仕方がないか期待してます。