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やらない夫と真紅が、小説を読むようです 番外編

目次 現行スレ

207 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:00:39 ID:SgKtNaBU



   ――私は、嫌な子だ。

                          \.      |
________   ________.    | ̄ ̄| |
| //. .:; ||      ||   |   |.  |.  |  |   |    | |. l二| ̄ ̄|| ̄ ̄|
|.//   .||      ||   |   |.  |.  |  |   |__| |   |    ||    |
|     ||      ||   |   |.  |.  |/  ./.    |   |    ||    |
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|      〔i|      ||   |,/    /                     \||    |
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    /
.  /
./
                 でも、誰かにそう言われた訳じゃない。




208 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:01:09 ID:SgKtNaBU

   もちろん、私自身、自分のことをそんな風に思いたくはなかった。

       \           | |  //::            /  /    /
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.          ̄ ̄    ̄ ̄   !l  |   .|  |:::|  |:::::::::      /...::::
                /.  ̄ ̄ ̄ \ l:::|  |::::::::      /...:::::::
   _           /           ヽ:|  |::::::     | |:::::
   /|         /                \|::     | |:::::       __
     |         /                  ̄ ̄ ̄ ̄| |:::     ___|
     |.      /                         | |:    ___|\ ヽ
     |   /                            ヽ|__|\ ヽ

     でも、そうなってしまったのだ。
                     いまでは、否定なんて出来ない。

209 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:01:36 ID:SgKtNaBU

 小さい頃に感じた思いは、
          じっくりと私の心を浸していった。

            |                 | ::::::::: / / .:.:.:.:.:.:. |______|
            |                 |:::::: / /.:.:.:.:.:.:.:/        |
            |                 |/ / / .:.:.:.:.:.: |´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
            |                  / ./ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:|_______,|
            |                /   | ̄|:.:.:.:.:.:.:./          |
            |              /     |  |:.:.:.:.:.:.:|´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
            |            /       |  |:.:.:.:.:.:.:|_________,|
            |          /         |  |:.:.:.:./                |
            |        /           |  |:.:.: | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
            |      /             |  |:.:.: |_________|
            |    /               |  |:/                   |
            |  /                 |  |´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|___
______|/                   |_|___________,|___

              だから。
 
 彼から借りた小説で、思い出してしまう。

210 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:02:01 ID:SgKtNaBU


           私の中にある、罪悪感を。


                        \                               /
                         \                             /
                          \                           /
                          \                    /
                          \                   /
                           \                 /
                               / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄!
      、                   /                  !
        ` 、                 /                   !
          ` 、              /                     !
            ` 、.        /                       !
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                           i/ / /                 ∨
                          i / /                     ∨
                         i. /                 ∨
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                      ,>´ 二二二二二二二二二二二二二 `<,
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                                小さなころの、過ちを。

,

211 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:02:31 ID:SgKtNaBU




    「やらない夫と真紅が、小説を読むようです」 



              番外編


     _________________
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 ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

212 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:03:28 ID:SgKtNaBU

 小学生の頃、私は転校を繰り返していた。
   
                  親の仕事の都合だ。

                         ,.ィ≦三ヽ、_
                 ,..::'´:._j三三三ニ廴
                 /:r'二´三三三三二}
                 /:.:.:.:.)三三三三三三く_
      rー-v一'⌒ヽノj:.:.: , イ  ̄ ̄` <三三三ニ)
      |匸7:.:.:.:.:.:.:/_7:.:/:r┘/        ヽ、三〔_
    /人/:.:.:.:.:.:.ハ7:.:.:.:.:.〈  ′     、   ヽ三フ
    \V{:.:.:.:.:. /ニ7.:.:.:.:.:_:ノ, l  |    、ヽ  ヽ ∨ 〉
     └う:.:.:.:.{三{:.:.:.:.:.:ヽ l | lト、\ヽ ヽ` 、`、Vニヽ、
      / {:.:.:.:.:.|三|:.:.:.:.r‐'∥ l | ',丶 l 川 l | l | !  ヽ\
    // ∧:.:.:.:.l三l:.:.:.:ヽ |ヽ」斗-ヘ }ノ,エZ{ノ/リヘ\ \ヽ
.    | l / ヽ、:.:Vニヽ:.:r个ト,ィfl圷  ` 化ノケハ  `ヽ>└′
   l|,'   「ヽ{lHlリ:{ 小 ` ゞ ′    八ヽ\      短い間ですが、よろしくお願いします。
   |V  ,'  l| | ` <7/ | lヽ、    , .′, 仆 ヽ \ヽ
    `7 /  ,イ |    l├ヘヽ―ヘ、__,.:'⌒ヽ `、`、 ヽ\
    /   / ||   | |:./ヽ\::.::rヘ::.::.::.::.::\ヽ \ \ヽ
   ,' ′ / /|| /ヽ\::.::.::.) ){廴r-、__::.:rく  \ ヽノ /
   / /    /ハ !/:.:.:._:_;>=≠-‐、::.f‐ミ ヽV  \ } 〉 /
.  / /    / 'rヘヽ:.:.:. ヽ二ニ==、 }:「`{  ,ゝ、_V_/∠_
 / ,     / ,':.:.:.:.ヽ\:.:.:.:.:.: r‐彡ィ´:::|::.::>‐':.:.:.:.`)ー‐r≠ニ }
./ /    / /:.:.:.:.ノ:.\ヽ:.:.:.:.:.ヽ>:l ::.::|::└r1 :.:.:.:.:.ヽノ/_/ く
//  | / /:.:.:.f⌒ヽ:.:.ヽ`、:.:.:.:.:{{ヽL 厶-‐'/:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.人   ヽ
. /  l | /ヽ、:_>ク^ヽ:_:\ヽ:.:.:.:`T¬ー‐く丶:.:.:.:.:.:.:.:!:ハ `ヽ  \
,′ | | /    /:.:.:.:.:.:.:.:/〉、\:-勹::-‐¬__〉:ヽ:.:.:.:.:.:}ヽ \ \   ヽ
i   l/     /:.:.:.:.:.:.:.:〃:.:.:\ヽく_:_:_:_j-‐个、:.:.:.:.:./  / ∧  ヽ、 `、
|  |l  ,...-勹:.:.:.:.:.:.:.:. l^ヽ、:.:.:.ヽ\:.:.:.:.:.:.:八\ー'ニ二ノ  `丶、 l  ト、
|  |レ'´:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:\:.:.:ヽ l:.:.:.:.:´:.:.:〉:.`Y⌒ヽ        l  ∥ \
l  |ト、_ 厶:.:.:.:.:.:,':.:.:.:.:.:j:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ:.}|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ト、:_厶      ! l「`ヽ 丶

      そんな生活の中では、友達を作るのが
                億劫になってしまっていた。

              どうせ離れ離れになる。
             
                 それでも、私は友達を作ろうと積極的に関わった。

213 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:03:53 ID:SgKtNaBU

 でも、その頃の私は、あまり笑わなかった。

           いや、上手く笑えなかったのだと思う。


:/⌒7:辷彡ヘ.入.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:i:i:i:i:i:i:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:{-'ー=彡.:.:.:.:.:/^′
:\ <::::r ´ /::{^⌒:.:.:.:.:.:.:/:i:i:i:i:i:i:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:__.:.:ノ:i:i:i:i:::::.:.:.:.:.(
\:Vハ::::、/::ィ:i「}.:.:.:.:.:.:.:./:i:i:i:i:i:i:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:く⌒^⌒ヾi:i:i:i:r=xノ
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,/::::/′ ̄,' |::ト=ミ.:.:.:.:.′i:i:i:i:i:′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.r―=彡       マ″
i::::〃  .:′|::{ r彡.:.:.:|:i:i:i:i:i:i:{.:.:.:.:.:.:.:.:,xt=彡     i 、   :.
レ'}    ′ j:::} 廴.:.:.:.|:i:i:i:i:i:i:}.:.:.:.:.:.:.:( |i  :.  i   |  :   i:
  {   {   ::::::, く:.:.:厶=ミ;i:i{.:.:.:.:.:__;ノ、{i:  {  |   |  l   .:|i
  '    }:. |:::::}i  V{f彡ヘヾi!.:.:.:.({:八^气{,  '. |   | | .:i |i
 ′  /ハ |:::::}i  Ⅵ{fiりノリ:rif^´|i  \{\、Ⅵ   {  j .:i {i
/   / , ∧⌒':   `辷彡'1リ|  |i   f圻x`ー'ヘ、  } /} ∧:.
′ .:{ , /.:∧ ヾ.  Ⅵi:i:i:i{ |  |i   弋tりヾ /Ⅵ/厶′}′
  .: // / :′\     Ⅵ:i:i:{ |  |i   .:.::::`:.   {
  i ;/ / /    \rxミ=ヾ:i:i:M:  |i        〉
  i | / :′   _,/⌒^:.¬=ミx:i:|: 八:.    __ /
  i |' /    厂:^:.:.:.:.:.:.:.:二三℡_L_ノ}__ .,<
  i | /    /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:⌒^\:i:i:⌒^:i:i:i:i:ヽ
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  i |  .:′.:.:.:.:.:.:.:,::::::::;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:丶:i:i:i:i:/⌒7/
  i | /.:.:.:.:.:.:,:./.:::::::::::}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Ⅵ:i{ く<_
  i l′.:.:.:.:/:/.::::::::::::::::{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::.:\i:}r=彡′ j)

  先の見えてしまった交友関係に、いくらかの疲労を感じていたのだ。

214 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:04:20 ID:SgKtNaBU

   それでも、私は精一杯、学校では笑っていた。

       笑っていると、誰かも笑ってくれる。

          そう信じていたのだ。

        まさしく、子供のように、純粋に。

                 , -、/ ̄ヽ   __
            __(  しヘ 弋/ )\
            /ー'    \    └ヘ\
         └ヵ              |\
        / ̄\             〕 \
        └┐         _   -―-\  ヽー、
        ┌┘        ,.   /  ヽ \ 了   ト ∠ム / ヽ
        廴     /   /       ヽ`つ  ∨Y   ̄〕マ7_
         r┘   /              |  |└┐ | |  rヘ´ \ j!   _
         `つ   ./            |  |  | | 〔. ||<_ム__>  ̄__
         〔_ .′           |  | || |i `)|| 〔 ヘ\ <
           ヽ| | :  |  |    |  | ||  レハ 弋 |r= 、r┘ | \ `
            | | |  |||    |  川ィチレ,_| ({ヘ參〉)  !   \
            | | |  |⊥从_| /j//ィi´うハ「| |广7_ハ  丶
             \\ヽ7了7ヾ    ゞ- ' | |∨/   \  \
               \| ヽ ゞン     ゙゙゙゙゙゙゙| | ∨     \  \
                 | ∧゙゙゙゙゙゙゙ `      .__| ハヘ       \  \
                 | l| > 、  ‐ '  / j / ̄ヽマ_    \  \
                 /∧|/   __ア=ミく入`マ" ̄ ̄ /       \  \
              // ヘ   /-ゞ參r' _≧ \ ̄/___〉          \
          ___/∠ ヽ_\イ   `T1く, ―‐  ∨  ヘ,__
          \   _...ニニニ>    」 K_,/ ̄ヽ 〉¬   \_
             ̄  _/ __〔  /  | ゝィ厂ト  Ⅴ | |  廴 厂 ヽ
            <二、≦二._ヽイ    |  「 广ヽ.ノ |/   \   /

215 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:04:49 ID:SgKtNaBU

 私は友達を必死に作り、

        作った数だけ別れてきた。

  別れた友達からの連絡なんて、すぐに途絶えた。

               _,-- 、
           r冖'::.::.::.:.几、
            r┘::.::.::.::.::.::.::.:しヘ
          _)::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:.ト、
           {::.::.::.::.::.::.:_,.:-―-、::.〕 `ヽ-、___
         コ::.::.::;: '´/  、ヽ`しヘヽ  )ニヱ、
          └i::.:/ /  /  ヽ ヽ } l | { |ハ_/
.           く::/  l  l   l l l ( | | 〕|:|
            l|   l l l| |   l| | l |,lト、l_| { l:|
           ヾl L,ィ=ト:i、 ノ,ィTkノl}必}| |:|
             个tヘ.イtク ` `ピr,ノi:lヒオ| |」
            l |∧`" ' _,   / l|  |_| l||
              |ノ _L>‐、_,ィ^7 /l|   | l||
              / |ヽ:.:.:.:.:.:{爻}/ /:.|ト、   ! ||
            _〉」_∧:.:.:.:.:./|/ /:.:.|j:: \ | l `、
            斗‐- 、\〕ー7|::ヒニ二ニフ::. ヾーi ヽ
           「::.:r‐┴/:.:.:/:.|::| _/,イヽ、::.: `┴‐ヘ.
            〉:;`ヽY¬z__」:ん勹 ノ::.::.:`ー-、::.::∧ \
          `7〈〈:{_::.::.<::.::.::.く <r冖、_,ィ⌒Zノ| ヽ  ヽ
              / /:|l:/: ̄::`:ーr=彳::.::.::.::.|::.::.::.:〉l  |  |
          / / :ハ_::.::.::.::.:ー-'::;:|::.::.::.::.::.ヽ::.∧ ヽ \ ヽ、
         i /′::.::.::.::.::.::.::/::L:_:;::.::.::.く:/ `. `、 ヽ  ヽ、

   それでも、私にはそれを繰り返すほかになかったのだ。

216 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:05:14 ID:SgKtNaBU

 そして、ある学校に転校したときの事だ。

.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._:..-‐- ..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'ヘミx':〉
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.イ´   、 丶  `ヾ:.:.:.:.:.:.くミュ_ヾヽ 、   ____
.:.:.:.:.:.:.:.:.:./   丶  \ ヾ:、  丶、.:.:.)厂`ヾ≠=彡’ ̄ ̄ `ヾ:、
.:.:.:.:.:.:./   !  `ヽ.\  \ \ヽ  ゞノ`ヾ:、  \㍉、 `ー- .. _
.:.:.:.:.:/  丶 |   ヽ ヾ:、、 ヽ \:.、ヾ:.、 ヾ:、\ \ `ー― -==._
.:.:.:.:.′     i! ト、 ハ   ヾ:、   X ミヾ ヘ   辷x 丶ヾー=ミ
.:.:.:.:i 丶   | ヾ、ミxヾ:、\/ ヾ八㍉、{   ヾ:、 \ \\
.:.:.:.:| i  \ i!\  \ヾ、xく.\.ィく`liト:.ヾヽ.   `ー=ミx `ー=ミ、
.:.:.:ハ{:    1  \  ヾ ヾ`ぐツ リ }ハ ハ       `ー=.. __
x:.:.:.:.i|ゞ \ ! 丶  ゙x ハ ト!     ,ィ:::}i } L..'´し,..∧_
 > l|.:\  ゞハ、 /X j, <  、    〈::::::|l レ"  /:::/ }.: ̄三ニ=ミ
  `ゞじ.:.:.ヾ、\Xヾハxぐツ   ‘′ )::ノ"イ/:::/ ,:ィ|.:.;ィ.:.:.:.:.:.:.:.
   ヽ> ヾ ヽハミ㍉ャ‐ ._   _ r彡r7 / /:::/ / /:iリイ./.:.:.:.:.:.:.:ィ
   `:くヾメヽ `ーx. ハ     ̄ /:::::Y_/ // ,.イ /// イ.:;ヘ:_,.イ7.:
     i Y}iハ    } ix ヽ  rfチ::::::::::::::)〃/.:/ 〃7 /〃7ノ::::::〈
     | iX  ‘,  | !、  \ レ`ーァ:::/〉:=彡::::://:::::/ ム才:':;:ィx::/
     | |ハ  入 八ヾ:ヽ、 У /:::::/イ::::::::::::::::"ヽ、/..彡:::::{  `
     | | ‘. ハ  ヽ \:/ /::::/ .ノ::::::::::::::::::::::ハ::::::::::::::::::::>

       私は、あの子と知り合った。


         ̄二ニヽヽ/ -ヘ、:.. l:...  lト\`'    ´ ¨// ./
 ヽ、_ _-ァ.:´__::.::.::.:ヽ::\  j:〉..:.l:...  l!     、_ __′"/´ | / )
  _,._-ニ-ァ‐´ィ二;:-- 、::.::..`ヽ、..:∧:.. lト_、     イ.: j| /{ ノ′
‐ ´/´ /´ ̄´/::.::.::.::.::..‐.-_、::\:.ヽ:.. l::.::::>ー<l!:.:.|:. リ‐//レ
    /′  /-‐ァ::´::, ァ::/.::.: ̄:.`ヽト、.V/::}:ハ:{トヽ/!:. !:/‐'::/
      /´ /::.:/ノ/..::..::.::.::.::.::.:..:ヽヽヽ=l:| ト='イ-!: /::;∠ イ_
     /´ /イj/イ'/.::.::_.::.::.::.::.::.::.::.::.`トi`j:|__ヽ\ノ人::.::.::∠´
   /' イ/ // ノ/:.‐..´...::.......ー ::.::.::.::.::.::.:K/:ハ.「jフス::.:.`:くヽ
   ///   /イ.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.{_j   jァzく::.::..::..`ヽ、

      私に趣味を与えてくれた、あの子に。

217 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:06:17 ID:SgKtNaBU

 あの子は私と同じ、転勤族の子だった。


     川 | ヽ{ :.:.:.   .   .:.:.:.: 川//l|l ! 〃
 二≧x' '//⌒ヽ、   ー‐   彡イ/l ! l¦k≦三
z≦三/ / l     _ヽ\_, イ/ //_」_|l|l三≧x
 _≧/ / /| _ {@}l:::〉―‐1' //.:::::.\l l弋≦⌒
 ラ/ / /.::|l{@}  ̄ レ::/ ^Yl /.::::::::::::::::.Ⅵヽ\
  { {/.::::ハ ̄ q_ l /  / | {:::::::::::::::::::::::〉|ハ ヽ
  ヽ个ー'::::::ト、 ペ) へ. /-人ヽ:::::::::::::::::/ ノ ノ


        だから、私たちはすぐに仲良くなれた。

                      _____
                    ト:、::::::::::/i
                   /:ヽz...才::::|:::: : K|  ハ
             /:::::::::::∨::::: : |:::: : |::::¨/::|
              _  }:)::::::::> 廴_;_;ノ=ミ!::::/::(!
.          /::廴ノ:::i '´     ̄    ¨ヽ:::::|\ ____
         /:::::ヽ::: ノ                ∨:::::/::::::∧
.        /=ト、:::/      i       i   ヾ:イ:::::_::::::i
.         >j::: ;'     j       i    ∨¨r' ̄_
      /_}:::i:i       从       从 i   i::::::ー^i ̄\
      \ {:¨::八  i i_i_⊥ハ   i _/⊥_リ  i . |:::::::::::j   }}
        |゚X!::::{::::::}i | !x==ミ  i .:レ==ミヽ/ ノ . |:r==くヾ__/
      / :{\::::::从 ,〃,_ノ::ハ\ヾ/,_ノ::ハ 》ム .:|:::>:!  }} 
     〃 |  | ::>=;' \ V//ソ  ヽ V//ソ .イ . 从乍 =彳ヾ,
      {{: |  | :{:{ /  八      '     八j, イ∨ノz|  j  }}
      {{: |  | .{:{./ ,イ{___≧ .._ マフ _. .≦__|  :!/∧ :|  j  }}
        |  | :/ /  ハ:::::::::::::::>=<::::::::::::::::フ .∨ !t|  j
        |  |::/ /!:: {ハ::::::::{从rケY}:::::::::::ハ  :!{  | :!  |
        |  |ノ:/ :!:: | /}:::::::::ゞァア,ソ::::::::::{:∧ :|i! ハ !  |
        | ( ( :i:  |/!::::::/:i: :i::::\:_:_j: :∧八(  ヽ :j
        |  |:)) :!:: |:::::::¨:::::::/: : !:::::::::::::::ヽ: :ヽ: )) !::):|
        | 〃 :::八 |::::::::::::::/: : : l:::::::::::::::::∧: : :}(、::j((::|
        | (: : : :.:.:.ヽj\::::::/: : : :.:l::::::::::_:_:_:ノ:.:.: | )\ . |
        |  |ヽ : : : : >zV___r===v'´: : : : : : :ノ从ミソ: |

    お互いに、何を欲しているのか、痛いほどに分かったのだ。

     私たちは、互いに足りないものを補い合って、幼い時期を過ごした。

218 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:06:50 ID:SgKtNaBU

あの子が教えてくれたのは、読書という趣味だった。

  友達と離れても、それがあると寂しくないとあの子は言っていた。

 世界はどこまでも広いけれど、どこかで誰かと繋がっていられる気がする、と。

           ヾ:::::::丶:;:;:;:;:;丶::\
           「´::::::::::::::::;:. -‐}、::::ヽ__/:::::::::::L
           `フ:::;.ィ ´    ヾゥ:::;ハ `ヽ.:::::::::人‐┐
              У   ,      〈::::::ハ   !;:::::::`)ヽ、〕
               / i   !   ',   ゙)::::|  |::::::::〈 、 、〉
           ! |  .|   l/!,、 `):::|  |:::::,-'   .|
           、λ、  、   .ノ'ナ l∧ノ`i!  !:::,!|    |
              ヽトヾ、 ヽ!゙ ´ ー‐'  1! {薔}:)' !    !  あー、面白かった!
             ` |゙ |}´   _ ""/l | (ノフ   、   、
              / ,!ゝ  ヾノ__/┴‐イ´   |   |
             l_ー< '⌒ヽ><!'7,.イ`ヽ、   、  、
       ,..--、  /_〕}‐、 (´::::::::::| `≧)::::::ハ    |  |
 ヾ`ヽ,/´,. - '^ヾ、.∧(::::::::Y::::::::::::ゝ==':::::::::::ハ   、  、
.  ヾ'- '"´     ヾv‐‐{〉::::::::::::::::丶ノ::::::::::::::::::::::\. !   !
   \\      ヾ、:::/::::::::::::::::::::::::|::::/'⌒ヽ:::::::::::::`>  .|
    、 、      ヾ、ヾ::::::::::::::::、::::|!´:::::::::::>―^、/ ト、!
     、_ 、      y::::\::::::::::::::、:"::::::::/!`ヾ<.    !l、 、
    ._i^!レr 、,. -≦´:::::゙:::|:;:ヾ:::::::::::::::::/::::∧::::::::\  ||  ',
    {::ヽ  ヾ:::::::、::::r‐::':;:;:;:;\::::::/:;/´:::::∧:::::、::〉 .!!  、
     ゙ー1`=〈::::ノ:::/!::::::::;:;:::::::: ̄:/:::::::::::::i:ヾ:;::::::〉 ,'l    !

   それを聞いた私は、母が読んでいた小説を試しに読んで以来、
                  今に至るまで、本を読み続けることになった。

219 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:07:15 ID:SgKtNaBU

   そうして、私にとって、あの子が何よりも大切な友達になっていった。

       それは、あの子にとっても同じだったようで、

          L   .::::::::::::::: '                 (_,-、 |:::ヽ \      イ_
         {    :::::::::::/ /                   ノハ:::::V ノー.、    __ ノ
         つ      , ' /                        ー 、|:::::::V / |   (__
        rへ    ,' / ./  .//   ,      '         rー Y::::::::|/ V    _ ノ
        レイ     / ' ,  /     '      '         `ー|::::::::| :/   (__
       /1|ト、  .' ./ ハ  ,  '  /.     |   |  | |  γー '´!:::::: | /     /
       / ∧|ゝ  ! / /  ' l!  .'l!'   |! ,|   |. | |!   `ーt |:::::: レ    _ノ
.      / /  |!(_.  l |  ! | l! .|! | |l! | | |!l |! | | |! |! i rーV:::::: |     ハヽ
     イ ,'  ∧ ハ__ | l |!l! | !‐!-ハ、 | |l! | |! :|||: |! | | |! |,  ゝー|::::::: |  r__'Yヽ//
    /::l ' ./ |::| /ヽ从1リ|!、,≡l!|ヽY |l| | l!! |_j__|ハj | l |! | r、ノ ,::::::::,   __ノ l V
   ./:::// /  ,|::レ   ゞYヽイf::::::::゙ヾ ' lゞ|,ハ! |!ハノ|j!''T!十 - ー,ノ:: /_  ノ /イl |
   ヽ , /!   ノ::|   イ ハ  .ゝ-ヘノ      ,.メ≡!ヾメイ! 'rー'___/r、j Y /∧:|.|
    /  ' !  Y/  / | ハ    ̄          i、::_::rハヾ|!ノ{γfヽ!フ /  〃  \
   ./ / !  //   / ハ  l              ゝ- ' / イハゝゞン ′ ' |./!|   | |! \
  / /  ! //   / / | l ハ      `         '   / /   | /::イ'   | |! l::!
. / /  ,.' //   / /  l l'  ゝ    ` ー       /  ,/¨´     | !: |    | |' ノ::!
 ' /  / //'  ,.' , '  ,.l l!‐==、 \         .イ   /         | ||:::| ヾ  !`V
  /  ,' ,// / イ  /l| |三三::`ーゝ、 ._ . -__.'ニ/   '、 _.      |!|ヾハ   ' 、 ゝ
 '  /´ / ' / ./ , '|| |三三三::_γrーァV三]/  イ |三三./     .l!|   ',.   \ \
   /  /..∠ / 三 ' ノ 〆´三三! (込ハ:/ /, '/|! | 三../     li|    ヽ   \ \




-―く∧ヾ` ーヘ、             / ∧ /  V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
:: :: :: .\\ \ー-\         >   / / |∧   \:::::::::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄
:: :: :: ::. ..\\ \     、  __ ,   ' イ l| ヽ  \\::::┴――----一ァ
:: :: :: :: :: :: ..\\ \      ̄  ̄  へ :: :| ||-、 \   \\::::::::::::::::::::::::/
:: :: :: :: :: :: :: :: .\二二丶    < 、  |:: ト. || ::ヘ  \   \ヽ  ̄ ̄ ̄
:: :: :: :: :: :: :: :: :: .. \:: :: :>>く:: Lノ 〉 |:: ハ|! :: .ヘ \ \\ \―-- __
:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::〉冖^ヽ>ー冖-冖>┐: リ :: :: .ヽ ヽ  ト ヽ ヽ::::::::::::_ 二ニ=
:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : /    lヽ \ 、  冫 :: :: :: :: .\| ハ } ノ ̄ ̄
:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: /   ー--|:: 〉_ヽ<  く:: ::/ :: :: :: :: : 〉|/  } /
:: :: :: :: :: :: :: :: :: :〈     ノ'´        〈:: ヽ :: :: :: :: ∧|
:: :: :: .\: :: :: :: :: ∧         r-=、ヘ:: ::l :: :: :: / }|
:: :: :: :: :..\:: :: ::/ /\         く〈与}〉 | :: | :: ::/〉
:: :: :: :: :: :: .\:: ::〈 :: :. \      `''^´ | :: | :: :: :∧
:: :: :: :: :: :: :: . \::.ヽ:: :: :. \         /. :: | :: :: :: ::|


     私はあの子を求めて、
            あの子は私を求めてくれた。

     自分を必要と思ってくれる人がいる。

   それだけでも、こんなに満たされるのかと私は初めて知った。

220 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:07:46 ID:SgKtNaBU

 だけど、そんな時間は、呆気なく終わってしまった。

     , ー‐―     , ー‐―
    i「 // ⌒ヽヽ\ / / ⌒ヽ ゙i.ヽ
    || | |     ヽ.! ||  /     | | ||
    || | |     ||  ||  ||     | | ||
    || | |    l|  ||  |l    | | ||
    || | |     iト、J|、イi     | | ||
     \ \_ノ /ハヾi !、_/ /
      \   //ノ !、ヽ  /
           丁6))   ((6丁
          〈三〈三〉
.             i | i
.             /.   ヽ
            // ̄\ |
.            |/6}‐ /./|
.            |   /ヽ
.           ト、_/::.:.:::|
.          |  |:::.:.:|
.          |  |::.::::|
.          |  |::.::::|
            |   |. ::.:|
            |   |. ::.:|
            |   |. ::.:|
           |   !::::::|
           |   !::::::|
           |   !::::::|
           |   !.:::/
             ヽ   !::/
             \/

    今になっても、なにが原因だったのか分からない。

221 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:08:34 ID:SgKtNaBU

 突然、あの子は、いじめられたのだ。

     クラス中のみんなに。

 無視され、物をぶつけられ、影に追いやられた。

     l|     |   ` -\ J     ′/  ノ
      |l    |\        r‐ァ   / /
     ハ    ト、  、 U    ̄  イ
    / ハ     l::.\ >_,、   /  |
     / ∧   l:::::/.::7爪  丁   |
―-  _∠::::ヽ  ∨:::/ 小ヽ |l   |
―‐ 、 ` マ}__ ト、  ∨/:||:lL)〉ハ   |
::::::::::..\「` マ}___\  ∨:||:「く/  |  |
::::::::::::::::::::::::::::..マ}___\ ∨| ヘ`ー|  ∧
::::::::::::::::::::::::::::::::::..マ}__ \l|  ヽ:::::l /:::ヘ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..マ}  ゙r~、>|/-、:::::ヘ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ/ヽ|  | 厶、ノ`}:::ヘ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..\   /「穀ヘ r':::::::.ヽ


       r-':、 ̄ ̄ ¨ ヽ   ___
    , - '  : :.l      \/   ´ ̄ヽ
    {     : ::ーヵ      |::\    |
    〕   : :.:./ └i:: . .   ヽ:::.∨   ヽ
    └i  : .:/     └t.:..   ',::::|:. .   」、
     {  .:/  /    l  }::.   l::::|:. . r┘ :|
      ヽ.;/ / l |   l / ゝ-、:. !::l::  /l l :|
     〔_:|l | :l l   .:l ,.:i| _ト|  T |:l: 「 l | :!
       |l/! |!\ イ!ィi´:::|.レ'| |l l:|: 」 八 l|
       l| ヽlト rヵl   L.r’'ノ| l{ |j Y/  ',l |
           / l ハ.{」_, - 、 /:| 」:.../'    lハ
        / / { ヽ{  」_, -'´ ̄ ¨ヽ   ヽ :|
       , r'´ ̄ス、!_>t.zッ'.::: --― ::',    ヽ!
     / レ' ̄-'´ l__{ヅ .: :___  - /.:|!    |
    /i/く::.'    /l└t. _  .::ー './ .:::|    :ト、
   / イ /\::.  ,:. l '  L.. _  /.:: .: ,'    l ',
  , / i 〈 、 lハ:::.     _∟ .:' .:: .: {       l i|
  ! i :|   ト 、}>、__/!,_ イ.::    └ァ     l lヽ
 | ! |  〈 ヽ r ---:.ヽ/┘::.ーt. __「i′    l l ',

   当然、私は憤慨し、必死にあの子を擁護しようとした。

    クラスのみんなに嫌われても良かった。

   それよりも、あの子が苦しむのを見たくなかったから。

222 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:09:41 ID:SgKtNaBU

   だが、そんな覚悟をしていた私にかけられた言葉は、
                  
                賞賛の言葉だった。

                          _
                       〃::::::::::::::>=、     _
                       /:::::::::::::::::::::::::{{:\....:::::´::::::i
                  r===xノ::::::::::::::::::::::::::::{{=イ:::::::::::::::::∨¨ ̄ハ
                       ノ::::::::::::`::::::::::>  '''  ̄ ̄ '' <::::::: ∨:::::::::}ト.
                      {:::::::::::::::>  /            <::::::::::}ハ
                 ∨::::/   /               \::: }廴!__
                  ___ノ/     /             ヽ   ヽ::::::::::))
                  (( /     ,                   ∨::::ム!
                  (,イ                   i     ヽ ∨:/:::ヽ
              /八/                 i  |    i   i .∨:::::人 ノ:Y  ̄ ヽ
            , ' (( /     i    、        ||  !     |   !  .∨:)) }:ノ ̄ ̄  '.,
              , '   ))      ト、    ヽ      リ ,' /   |   !  .У} i }:)ミ= 、   '.,
          , '/  {::{ {   i、  ヽ_ヽ__ 八      ,' / ,.:'   j  !i  (:::リ  从\/:/、  ∧
            //   /く八 .   |}ト - 厂 \ヽ ヽ   .,/-/≠-、i   リ  /j   У /::::::) }:}:} )   ∧
        //  /://ク{{ニヽ 从 \ ,,z==ミヽ\ ,,/ ,/zz_  ノ`:./ ./r==v=x ./::::::ノ /::/      .',
          // <::/:/.,' 廴人  \. 《 んハ`      ´ん¨ハミx / ./人/¨¨ヽヽ:::Y r::/!ハ     i 
.         //  / {:{ ,i   ¨¨ヾ}ト,,_ハ r'込:リ       r'入:::rリア イ.ノ Y__r-ソY:: ノ .}:}  !{:::{      |
        //,  ,' ..{:{ ,j      /| |ハ弋zツ        弋辷グ / !八く彡⌒ノ::/  }}  !{:::{   i:   |
.       //.,'  .,   :{:{ |i       / ii j 从      ´     `  /.,'  :!/`ー''¨:r''¨  jリ  | {:{ノノ:|i:   |
      // ,'  ;   {i |!      /  | |./ .ゝ""  r==、  "",' ; !  |!_,r==x-'¨     /   | {:{/ |i:   |
.     { { ,'   ,:; i   i !.     /  乂{___> ._ ー '    { {.,' |!::: |! }}        :/  .八:{ i |i:   |
.     { {;  /;' .!:  | !  // /.j j:::::::::::::::::::::≧z--ュ≦::| |;  {j  ∨      /   /  }!_ i |i:   |
.     | |  / ,'  j   | ! ! / {::::://:::::::::::>={ィァムヽ-::::: :| |!  !j   i          ,'  .从zi |i:   |
.     | | , ,.   |   ! ! ヽヽ !:::{ {:::::::/:::::::::辷Y ソミ::、: :| |! 八   :ト、         ,'  //::::}i |i:   |
.     | |./ ,   |   ! !   \ Ⅵ |:::/::::::::::::::彡兀::ヽ:::::::ヽヽヽ{:::::}   !:::::>      (  { {:   i |i:   |

                      『あなたは良い子ね』

             そんな言葉が、教師やクラスのみんなからかけられる。

              だが、言葉はそれだけで終わらなかった。

                 『あんなにも良い子に迷惑をかけて』

        私の行動が賞賛される裏で、そんな言葉があの子に向けられたのだ。

223 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:10:16 ID:SgKtNaBU

   クラスの人々は、私をひたすらに褒め続けた。

  今になって思うと、当時の私は理屈っぽくて気が強く、

       敵に回すと面倒なタイプだったから、そうされたのかも知れない。

.    /     /     /      ヽ    \   \    ヽ   ノ|i:i:i:i:i:|: : : : : : : :(    |
   /     /     /     l  |    l| ヽ    ヽ  l  l (:.: |i:i:i:i:i:|: : : : : : : : :.`ヽ   |
.   '      '    |      l  |    l|  |     |  l  l  ):.|i:i:i:i:i:|:. : : : : : :_:_:_:ノ  |
.   ′ ′   i      |      l  |   /l  |     |  l  l (:.: |i:i:i:i:i:|:.:. : : : :(|     |
  l  l     |      |      l  l   / il  l    |  l  l  ):|i:i:i:i:i:|: : : : : : : ヽ     |
  |  |  |  |      l     l  |ー‐/―l―――‐ト 、  / (: : |i:i:i:i:i:|: : : : :_:_:_:ノ    |
  |  |  l  l   l  丶ノ   l  l / //  l    / ///   ):|i:i:i:i:i:|: : (/   |      |
  l      ヽ  ヽ ィ´ 丶  '/|   //'"´/  /}/// ,イ (:.:/7ーヘ/:.:._:,;)   |      |
. 八   ヽ  \ \ 丶ー―\|  j/ j/ Уj/笊ミ j///i|  |{ {〈《〉}//     |      |
.   ヽ 丶 \ 丶 丶y了笊ミ          トミrj刈 /´ / |  |ヽヽノノ '      |      |
    \ \ 丶 \ 《 ト rj }         弋辷:ツ´  / イ  i|:i:i:i:/ /      |      |
..     \ 丶 ー ヽ 弋zツ        ////// / /i|   |:i:i/  ′     |      |
.        / ヽ丶/´ ハ /// 〈             / /i:i|   |i/ /         |      |
       /   / /´ハ                 / /i:i:i:|   |/          |      |
.      /    / / / 人      こヽ     __/ /i:i:iィ|   |            |      |
...   /    / / / /´ >          /i:i:i:i:i/ /≧≦:|   |            |      |
   /    / / / / /i:i:i:i:i:i:i:i≧:..... _/i:i:i:i:i:{  {i:i:i:i:i:i:i:|   |            |      |
.  /    / / / //i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/i:i:i:i:i:i:i|  |i:i:i:i:i:i:i|   |\          |      |
  /    / / / /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:斗七刈i:i:i:|  |i:i:i:i:i:i:i|   |i:i:i\         |      |
. /    / / / /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:{《〈乃〉》i:i:i:|  |i:i:i:i:i:i:i|   |i:i:i:i:i:i〉      |      |

  いずれにせよ、私が怒るだけ、あの子は余計に辛い目をみるようになったのだ。

          これは、私にとっても辛いことだった。

224 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:11:03 ID:SgKtNaBU

  それでも、私は怒らずにはいられなかった。

   何度も声を荒げて、あの子を守ろうとした。

: /_  ト、 l ト、\l l       l      '; : く__
:ゝ':/  ,' ,ム斗=ヽ、l`ヽ      //       !: : :./
:./!  ,   1 {:ゝ‐:ハj  ',`    //l      ,'r‐-'
//l   ,   '弋z:::ノ '  ヽ  /、 / /  l  /´
/ ,'  ,′  ´  `     ヽ'ィュ、 /X   / /
:l/  /               ん:リ / _ / /  ――っ!
:l  l            ' ゞく /'´///
:l  l三心     fニヽ、_     /l   l
:l  l三三',       `′  ,ィ'l l   l
}l  l三三ミ;        /l l l ',   ',
ミ!  '三三ミ;     , ィ.´__. l  l ∨  ∧
ミ!  ',三三≧‐-.升三三ミ l   l ∨  ∧
`ヽ、  ∨ー'´ ー 寸三三三}   l  ∨  ∧


   それでも、物事は何も変わりなどしなかった。


:/ .:.:.l.:.:.!:.:.:.:.:.   l:. !: lヽ rーr 彡     / 、 、`,.ィ{.:./:.l:.:i j′
' .:.:.:.|.:.:.:l.:.:.:.:.:.  |、:ヽ.l ーjj´           `i ´lV:,〈 }:l ′
 .:.:.:.j.:.|:.:.!:.:.:.:.:.: l ヽ:.ヽ、li          / /イ: lソ′
.:.:.:.:/|:.:|:.:ハ:.:.:.:.:.:. l  ヽ.ヽl!、      __ ,   ,リ:. l l
:.:.:/.:.|:.:l.:.:.:.ト:.:.:.:.:. l   \ヽ     i´‐´ ̄j  /!:.:.ハ !
 ̄ ` l:.:ト、:.:.: ヽ:.:.: ヽ   ` ー    ー‐ ニ  / }:/j j/
    ヽトヽ:.: l:.:ヽ: l    ヽ、         / j'://
     ヽ、 ヽ: ト\lヽ、     `丶       / /´
       ` i: l ヽト、 ` ァiー---` 、_j-i<
        l l  |   / |:.:|:.:.:.:.:.:.:.  !  ヽ
        |:|     /  !:.lヽ.:.:.:.:.:.: !   ',

  彼女がひっそりと流す涙が止まることなど、なかった。

225 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:11:33 ID:SgKtNaBU

 私は学校で怒り、

    自室に帰ってからは、延々と泣いた。

         {    :::::::::::/ /                   ノハ:::::V ノー.、    __ ノ
         つ      , ' /                        ー 、|:::::::V / |   (__
        rへ    ,' / ./  .//   ,      '         rー Y::::::::|/ V    _ ノ
        レイ     / ' ,  /     '      '         `ー|::::::::| :/   (__
       /1|ト、  .' ./ ハ  ,  '  /.     |   |  | |  γー '´!:::::: | /     /
       / ∧|ゝ  ! / /  ' l!  .'l!'   |! ,|   |. | |!   `ーt |:::::: レ    _ノ
.      / /  |!(_.  l |  ! | l! .|! | |l! | | |!l |! | | |! |! i rーV:::::: |     ハヽ
     イ ,'  ∧ ハ__ | l |!l! | !‐!-ハ、 | |l! | |! :|||: |! | | |! |,  ゝー|::::::: |  r__'Yヽ//
    /::l ' ./ |::| /ヽ从1リ|!≧=≠=ミ、l| | l!! |_j__|ハj | l |! | r、ノ ,::::::::,   __ノ l V
   ./:::// /  ,|::レ   ゞY〈 っ:てう::} ' lゞ|,ハ! |!ハノ|j!''T!十 - ー,ノ:: /_  ノ /イl |
   ヽ , /!   ノ::|   イ ハ ⊂つ-- 'っ    .≧=ミ、イ! 'rー'___/r、j Y /∧:|.|
    /  ' !  Y/  / | ハ|ノシ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...   ぃ:rう::\ .{γfヽ!フ /  〃  \
   ./ / !  //   / ハ  l{{     :.:.:.:.:.:.:.:.:.:O\:‐':::ノj〉.ゝゞン ′ ' |./!|   | |! \
  / /  ! //   / / | l |し       '  :.:.:.:.:と^つ / /    | /::イ'  .| |! l::!
. / /  ,.' //   / /  l l'  ゝ    、─- 、      ./j } .,/¨´    | !: |   .| |' ノ::!
 ' /  / //'  ,.' , '  ,.l l!‐==、 \  ヽ _ ヽ    /んノ/      .| ||:::| ヾ  !`V
  /  ,' ,// / イ  /l| |三三::`ーゝ、 ._ . -__.'ニ./ひ.  '、 _.    |!|ヾハ   ' 、 ゝ
 '  /´ / ' / ./ , '|| |三三三::_γrーァV三]/  イ |三三./    .l!|   ',.   \ \
   /  /..∠ / 三 ' ノ 〆´三三! (込ハ:/ /, '/|! | 三../    .li|    ヽ  \ \


       どうせなら、自分がいじめられてしまう方が楽だった。

          自分が嫌われてしまった方が、楽だった。

             賞賛など、されたくもなかったのだ。

          私はあの子と一緒に居られたら、それだけで良かった。

226 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:12:08 ID:SgKtNaBU

 そうして、いたずらに時間だけが流れ、
             彼女は学校に来なくなり、

     親の都合に合わせて、私の知らない場所に行ってしまった。

              . -≦トヒ薔ァz、_
           , '´イ/////>=≦/ハ:、
          ,イ////>'´      `ヾ/ハ
         ,: ,イ///           `Y
         ! }//´              ハ
          | }i|{               イ
          介ミ}z、八从从彡'ソノ/ノノ从Y/
  ,イ三≧==-<三三ヽ ̄ ̄ ̄ ̄`Y´ ̄{ ̄!ー<
 {////////////////,ハ      {:  | ノ _r、 `ヽ
 ヾ////////////////,ハ     ノ.  ノ八'´j j レ /
  \/ー----'´///////,ト<__.ノ´ー<__/く_ヽヽノ
    >、////ハ/,{/////ハ≦介≧彡// ,イ//  ̄ ヽ
      ∨////人//////}彡'jii|}  // /////////ハ
      ∨////, '////r-、_    // ///////////i
    ≦彡ヽ//,:'//////}rヒァ、`ー,'/.〈//////////, '
    /.:::::::`Y///////,|ゝ=彡〃///ハ///////イ>z
   彡イ7::::,:人//////,∧ /,//////}/////リ::::::::::\
      ´i | | :ヘ///////ゞ/////////////,'z≧>ー'
       从リ从ヘ.///////////////////
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          ノ/////////,////////


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└‐、:::::::::::::::> ´\::::::::::::::::::!三≧‐:::::::
   )::::::/     `)::::\:::|:三:i::::::::::::
   t::::/   |  i  f::::::::::::ヾ:三:|::::::::::::
    `il   |  l  ヾ:::::::::::::!:三:!:::::::::::  
    {!   十r-:!_  }:::::::::::|:三:|:::::::::::
    |!ト、从ィテ斥;  .l!::::::::::|:三:|:::::::::::
      /ヽ!´{斗' i |!::::::::::{:薔:}:::::::::::
     く     ´゚! !.人:::::::::!三:|::::::::::::
       ヽ _   ! !   ト、:/三/:::/:ア^’
        ‘. ` oj   、∨三/¨_ノ
       /`ーァ′  ,ハ/';く
        ヽ { 〉  /  >/ハ
          .| >!  ム_´ーォ ::::::::¨ヽ
         _ン/ `ー―ア¨´:::/::::::::::ヽ
     ∠_ /    /::{::::::::::::::::::::::::::::

   私は、何よりも大切なものを失ってしまったのだ。

227 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:12:34 ID:SgKtNaBU

 今ならば、もっと上手いやり方があることも知っている。

  あの子のために怒るよりも、あの子のそばにいるべきだったということも、分かっている。

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228 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:12:59 ID:SgKtNaBU

あの子が居なくなってからも、

 私への賞賛は止むことがなく、周囲の人々は私に優しいままだった。

  『転校したのがあなたじゃなくて良かった』

     そんな言葉まで、聞こえてきた。

                                        l.       .l        ,i′ ./
                                        l.       .!      /   /
                                      l       l     /   /
                                      l       .|    /   /
                                       !       .l  /   ./
                   ,,, -ー‐- ..,,                !       l./   ./
              , ‐ン,'二-`-ハ ミヽ、             ,!       /  ./
               /..r' /    ___.  ..ヽヽ             !      /   .`゙ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           / .,i'_../   ,i'゙./ . `'、  .l..l               !     ./  ,r' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          /   ! .l   .! !    | │|           /    ./  / l
          /  i'ッーl    l `ー-‐"  .リ              /   ./ ./  !
            !   l  |    .゙'-.._._,..-‐゛              /  ./ く,,,,_、 .″
         /  '二-'´ .l                          / ,/./ `゙゙''''ー`-ニニ― ....,,,_
           l    .ヽ  ,-\                  , './,/      /    .`゙゙''''―-二,゙¬ー- ....,,,,_
        ,!   ='" /   .i`''-、             _..-彡'.-ミ;; ,,     /                ´゙"''―- ..,,,゙″
           !     \  /   !`'<_____ ;;;;'ニ、'ぐ    `''つ-..、 /
         l    . / .,/.、 .l   .,──.i、──.l / ゛ .\\      `''-ミ \
            }    `''''〈..、`゙ ! --- ! __ l|,''''" ゙Λ    \\     /  `'‐.ミ''-..、
            !         ,┤ |   │   l.l    ゙'/、    .\\. ./     `'‐..,゙'ー..、
             l     〈..l,,_,___. │   .l.l    ∨、     \\         `''-.. \ 、
              !          /l、.l    .!|.     ゙Λ    ./ .\\             `'-、,`''-..、
              l         / .| !  ._,,、.!|,     ∨、 . /    \\            `'-..,.`''-..、
              l           `''¬''" ´  |.l, !.l      ,゙Λ       \\             `''-、, ゙゙'ー..、
            ヽ              ! .l,.l.l  .,..-''.ッ、 ∨、        \.\                 `''-、,
               ヽ             l  |>'″   .!\ .゙Λ     ,-、  \ \                `
             ヽ,            !'"       .|  \. lヽ  ,/ .゙ぐ-、 .\ \
                 ヽ                   l   ゙'、ヽ‐゛    ヽ `'-.`'- `-

229 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:13:39 ID:SgKtNaBU

  結局、私はあの子を『パイロットフィッシュ』にしてしまったのだ。

    私は無知で、あの子が作ってくれた水の中を、知らずに泳ぎ続けてしまったのだ。

                           ___
                     ∠三ミ/´
                    ∠三三 /                ∠ }
          _..   -── 、 ‐'‐=ミ三/              ∠ニ./
      .. - <メ人メ人メ人メ人メ人メ. >‐-、 ._       ,∠ニニ/
   ,. ´ - 、 人i メ人メ人メ人メ人メ人メ人メメ : :``ー-一 ''".::ニ二/
 rく ( (__) )リ 八メ人メ人メ人メ人メ人メメ ...:.: .::...:::::.:.:::.::::.:.:::.::.:.ニニ〈
. \ヽ `ー ´メイ ,メ Yメ乂メ乂メ乂メ乂..:.::..:.:.:.:.:...:.:::::.:..:.:.,. - - 、::.::. ニ二ヘ
.   ` 、 < <乂 人 メ メ メ メ メ メ ...:.: .::..:..:. ≦/    \ニニ三ヘ
     ``ー‐- .._            _,. ≦ミ三/         \三三ヘ
               ̄ ̄ ̄ ̄ ヾミ三ヘ. V三三/         \三ミ!
                      ` ̄´  V三/             ヾミj
                           ヾ/

     『人はみな、一度出会った人とは、永遠に別れることが出来ない』

      つまりは、私が抱いた罪悪感もまた、永遠に抱き続けるべきものなのだ。

230 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:14:07 ID:SgKtNaBU

 それから、私も転校をした。

   もう何一つとして未練なんてなかった。

                         ,.ィ≦三ヽ、_
                 ,..::'´:._j三三三ニ廴
                 /:r'二´三三三三二}
                 /:.:.:.:.)三三三三三三く_
      rー-v一'⌒ヽノj:.:.: , イ  ̄ ̄` <三三三ニ)
      |匸7:.:.:.:.:.:.:/_7:.:/:r┘/        ヽ、三〔_
    /人/:.:.:.:.:.:.ハ7:.:.:.:.:.〈  ′     、   ヽ三フ
    \V{:.:.:.:.:. /ニ7.:.:.:.:.:_:ノ, l  |    、ヽ  ヽ ∨ 〉
     └う:.:.:.:.{三{:.:.:.:.:.:ヽ l | lト、\ヽ ヽ` 、`、Vニヽ、
      / {:.:.:.:.:.|三|:.:.:.:.r‐'∥ l | ',丶 l 川 l | l | !  ヽ\
    // ∧:.:.:.:.l三l:.:.:.:ヽ |ヽ」斗-ヘ }ノ,エZ{ノ/リヘ\ \ヽ …お世話になりました。
.    | l / ヽ、:.:Vニヽ:.:r个ト,ィfl圷  ` 化ノケハ  `ヽ>└′
   l|,'   「ヽ{lHlリ:{ 小 ` ゞ ′    八ヽ\
   |V  ,'  l| | ` <7/ | lヽ、    , .′, 仆 ヽ \ヽ
    `7 /  ,イ |    l├ヘヽ―ヘ、__,.:'⌒ヽ `、`、 ヽ\
    /   / ||   | |:./ヽ\::.::rヘ::.::.::.::.::\ヽ \ \ヽ
   ,' ′ / /|| /ヽ\::.::.::.) ){廴r-、__::.:rく  \ ヽノ /
   / /    /ハ !/:.:.:._:_;>=≠-‐、::.f‐ミ ヽV  \ } 〉 /
.  / /    / 'rヘヽ:.:.:. ヽ二ニ==、 }:「`{  ,ゝ、_V_/∠_
 / ,     / ,':.:.:.:.ヽ\:.:.:.:.:.: r‐彡ィ´:::|::.::>‐':.:.:.:.`)ー‐r≠ニ }

 その後も幾度かの転校を経て、私はその間もずっと、本を読んだ。

      そうすることで、あの子と繋がっていられる気がしたからだ。

231 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:14:46 ID:SgKtNaBU

  私はもう、積極的に友達を作ることもなく、ひとりで時間を過ごすようになっていた。

     そして、堂々と本が読めるから、という理由だけで大学の文学部に入学した。

     r‐,ィ': : :`ヽ_,.x=ッ'´: : : : : : :{::::l;ノ:::::::::ノ
     ,ィ'/: : : : : :/三ミ/: : : :  ̄:fハ: 〉:::::::::::::::`i
   《 _ノ=-: : : /三l/:__: :-:‐: : 〈 ー' ヽ::::::::::r‐'
    〈:_: ; -‐: ;三ミ!:ニ:=:-‐: /}:ノ   ヽ::_;ノ
     {: : : : : l三ミ}:-:‐: :.r‐、)´  i   ';〉
     lヾ: : : :.l三ミ!: : : :.リゞ'l   l !  l l l
      l〃lー、_:l三ミ!: : r‐' l l  /ムl ///
      ! ,' ヽ {薔}:ノ l、__ヽlト、 /,ム/'l/
    ,' ,   l ヽヾミ! '弋ツ   ゞ'/l ′
     ! ′ l  l`ヾx ヽ    ' , ' !l
.    / /    ,  ',/:`ヽ ヽ、 _´ィ´! l 、',
   / /     ', ,イ: : : :.}  ヽ三三! ! l l
.  / /    /: : : : : :`ヽ、 ヾ、三! '、l l __
 / /  _  /: :/: : : : : : : :l: `ヽ_,>ゝ-、--′
./ / /: :.`ヽ/: : : : : : : : :.l: : ',ヽ<´_,>>
. / {:ー:-、: ´: : : : : : : : : : :.l: : :ヘ< < ヽ7
/  ヾ: : :l`ヽ、: : : : /: : : : :l: : : : ヽノ '´

              そこで彼と出会ったのだ。

         私と同じ、読書が好きな彼と。

232 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:15:14 ID:SgKtNaBU

 彼は柔軟な思考を持った、ロマンティックな人だった。

   彼と出会ったことで、私はまた少し、満たされた気分になった。


                  / ̄ ̄\
                /  __,ノ `⌒
                |    ( ⌒) (⌒)
                .|     (___人__) 読みたい本がなくなったら、
                |     ` ⌒´ノ.  真紅に聞くのがベストだろ。
                |        |
       ,. --、― --ー y:ヽ      丿   経験的に考えて。
      / ::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::..\ __ _ r.〉
     / :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... _ ィ\
    //:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. ヽ
   ノ ..::::::::::::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. 丶
  / ...::::::::::::::: /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. `,
 / ..:::::: -、::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.... `,
 i :::::::::::.. -‐-、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: r/ノ::.. `、
 ヽ::::::::::::::::::::.. \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: j::::::::::::::::.. ヽ
  \::::::::::::::::::::::.. 、::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /ヽ:::::::::::::::::::.. ・、
    \:::::::::::::::::::::.. \:::::::::::::::::::::::::::: /   ヽ::::::::::::::::::::::::.. 、


          _
       /: : :ヽ:ー、   _
         ゝ:、_: :ヽ__:_r‐':.lヽ
     , -、ノ: : : : : : : : `: :|: :.ヽ、  __
.     く: : : `: : : : ; -― ‐{`: : : :ヽ´: :.〉_ -、
      '; : : :.,ィ'´      ゝ‐-、:-:'ミx:´: : : 〉
    r‐': : ; '           ノ: : :}ミ}: : :ノ
    廴:../   l     l    ,': : : :}三!: :ゝ,x=ュ、
     ノ;'  l !       l   ヾ_: : l三!: : : 〉`ヾ あら、それなら変化球でも投げようかしら。
    ヾ!   !ム斗 / l‐l-、l /  〉: l三!:r‐'ミュ、
     lト、  lィュヽ,/ l/ //l/l f´: :..l三!:ヽ三}ヾ  たまには自分に合わない本も読むべきだわ。
       ヽ l じ'   ィ示云x! ゝ、: :l三:.ノミ} }}
        l ! ,    弋:ツ/ l  /:{薔}/三} リ
          l人  、_    / / /彡イ ,ィ彡'´
          !  ,ヘゝ'    / l  l' l イ/}ミ}
       / l {三ミ二三l   ト、 ヽ ヽ{ミト、ミ}
.      / /l /三ミ薔三ミ!  l三ヽ_ヽヽゞ=ミ}
     / ///:.{三リ寸三}ヽ ヽ〃: ヽ ヽ
.    / / /: : :ゞ〃 ヾ三三ヽ ヽ: :/ /}

      だが、私にそんな資格はあるのだろうか。

233 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:15:50 ID:SgKtNaBU

 彼が連れて行ってくれたアクアショップは、とても美しい場所だった。

  小説で知ったパイロットフィッシュにされる魚も、とても輝いていた。

                      ___
                    /:::::::::::::::::ヽ         ____
                  / :::::::::./ ̄ ̄ \____ ,. --ー.....:::::::::::::::::::.. \
                 / :::::::::: ⌒´ ヽ、,_  \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i
                    | :::::::::::(⌒).(⌒ )    |::::::::::::::::::γ:::::::::::::::::::: ノ あー、やっぱり癒されるだろ。
                     | :::::::::::(__人___)     .|:::::::,. -ーy:::::::::::::::::::: /
                      | :::::::::::/::'、           | ̄   _/::::::::::::::::::::: /
                 | :::::::/::::: |        |   /):::::::::::::::::::::: /
                  | :::::::::::::/|       /レ-,.イ:::::/:::::::::::::::::: /
                 i ::::::::::::::::. ヽ__、____,. "//::ノ.:::::/:::::::::::::::: j
                   r/:::::::::::::::::「二二二 ::::::::::/::::::::ノ::: 、:::: //
                /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::r



 廴::::.:::.::.:::::.::.:::/   /          `‐-‐、::.::.::.::.::::.:', : : :
  _):::::.:::::.::::::/     i     i    |   〉:::.:::.:::.:::.::!: : :
  L_::::::.:::::.::/     |   ,' |     |  {::.::::::.::::.:::::.} : : :
     ̄l:::::::i    l |    i  |     !  ト、:::::::::::::::::|: : :
     \_| i     l__|  i | l|  |⌒ゝ/ ' -:::::::::::::j,ェ、  本当に。
       | |   ´l | | ! l   |''  //(::::::::::::::::ハ{{   あそこまで綺麗な魚がいるなんて思ってもいなかった。
       | |i     i i _」 ト、|| /,ィfう「゚圷 ト、::::::::::代`
       |l|    .ィfヤ心l  レ'   .弋ぅツ .| ト‐-,:::|:.`:
        ヽ!ヽ、 ト、乂ぅツ     ´,,,,    | 〈::::}: : :
         `  \| k' ,,,,, 、         //.| 〉,': : :
                  ヘ    、‐ ァ     // | |: ;/
             |人    `      // __| |_:::::::
             |  |:.:.:>_、 __ , ィ' //: ̄ ::| |:|-;:::
             / / lヘf{ハ l´: : ://: : : : : | |:|. L


  そして、私はそこで思いついたのだ。

          自分の、これからのことを。

234 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:16:20 ID:SgKtNaBU

   そんなことが正しいとは決して、思っていなかった。

     けれども、間違っているとも思えなかった。

                      _/`丶、
                     _∠フ::.::.::::::}::\
                   厶::.::.::.::.::.::.:ハ::.::\
                  / ̄`::.::.::.::.::.:`ー'⌒Yハ
               _/::.:__, -─-……‐-、:L_:\
                   >´/ ,  '´       \}:ヽ`┐
             // / /          /了}ヽ\
            〃/ / , ′/  /   i    ヽ\ソ::.:j::::`个‐‥''^ヽ_
              /' / / /  /  /    '  |  !ヽ::|::::::::l::.ー─-‐{ 今日もありがとう。
          / ' / l |i /  /   / / !  ||〈::ノ::::::/::.::.::.::、::.::.::.| 楽しかったわ。
            /  i ′ll丁Tト、l|  / ,/ / / , ! |{八!:::::/::.::.::.::.::.:`辷′
            |l  |l |≠ミ、l| ,/__,/ / / /r=≠へ、::人_::.\::.::.::.::.:ノ
            |l  |l |{ {_j^l| / _i、__`メ、/ }イ以f}ハ}::.::.::.::.::.::`ー‐Y
            | ヽi|〉!   l' ´了㍉、 >、ハ戈ィくソ::.::.::,小、::.::.:: ノ
              ,-、/ ハ  '     ゝィ斗/イ//又::.::.::イ〉| |ト, ̄´
          〈///ハ丶 _     〃厶イ__」_/7,ーイ/i||、ヽ
、     \、 _ / イ:::// :;;ヘ ___rー─/ /--‐ "´' //| l// l|| l }
::.\     \://ーノ:〃::::f抔ハ〉|::::::::/ , イ、:\   //ハl//_///_ノ/
::.::.::.` ー─‐/ /::::::::ゝ/::::::::ゞニ「 ̄`::/ /:/::::::`く // l  { {─| |ー'
 : ::.::.::.::.::./ /::_ - / ̄⌒フ|:ハ:::::::/ /:〃:::::::::::::〉/ li  ヽ>|!
  :..::.::.::.::.{ i{:_//::::::::/::.:|::::',::/ /://:::::_ -イ {.  |l     |_{

     彼は真っ直ぐで、とてもいい人だ。

           きっと素敵な人生を歩むことが出来るだろう。

235 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:16:46 ID:SgKtNaBU

    だから。

   私は、彼の『パイロットフィッシュ』になろうと思ったのだ。

          L   .::::::::::::::: '                 (_,-、 |:::ヽ \      イ_
         {    :::::::::::/ /                   ノハ:::::V ノー.、    __ ノ
         つ      , ' /                        ー 、|:::::::V / |   (__
        rへ    ,' / ./  .//   ,      '         rー Y::::::::|/ V    _ ノ
        レイ     / ' ,  /     '      '         `ー|::::::::| :/   (__
       /1|ト、  .' ./ ハ  ,  '  /.     |   |  | |  γー '´!:::::: | /     /
       / ∧|ゝ  ! / /  ' l!  .'l!'   |! ,|   |. | |!   `ーt |:::::: レ    _ノ
.      / /  |!(_.  l |  ! | l! .|! | |l! | | |!l |! | | |! |! i rーV:::::: |     ハヽ
     イ ,'  ∧ ハ__ | l |!l! | !‐!-ハ、 | |l! | |! :|||: |! | | |! |,  ゝー|::::::: |  r__'Yヽ//
    /::l ' ./ |::| /ヽ从1リ|!、,≡l!|ヽY |l| | l!! |_j__|ハj | l |! | r、ノ ,::::::::,   __ノ l V
   ./:::// /  ,|::レ   ゞYヽ ___ヤヾ' lゞ!,ハl |!ハノ|j!''T!十 - ー,ノ:: /_  ノ /イl |
   ヽ , /!   ノ::|   イ ハ 彡≠≡ミ        _メ_!ヾメイ! 'rー'___/r、j Y /∧:|.|
    /  ' !  Y/  / | ハ   ¨ ¨          メ≡≠ミ |!ノ{γfヽ!フ /  〃  \
   ./ / !  //   / ハ  l                ¨ ¨ ./ イハゝゞン ′ ' |./!|   | |! \
  / /  ! //   / / | l ハ      `         '   / /   | /::イ'   | |! l::!
. / /  ,.' //   / /  l l'  ゝ    ` ー       /  ,/¨´     | !: |    | |' ノ::!
 ' /  / //'  ,.' , '  ,.l l!‐==、 \         .イ   /         | ||:::| ヾ  !`V
  /  ,' ,// / イ  /l| |三三::`ーゝ、 ._ . -__.'ニ/   '、 _.      |!|ヾハ   ' 、 ゝ
 '  /´ / ' / ./ , '|| |三三三::_γrーァV三]/  イ |三三./     .l!|   ',.   \ \
   /  /..∠ / 三 ' ノ 〆´三三! (込ハ:/ /, '/|! | 三../     li|    ヽ   \ \



           あの子がしてくれたように、私は彼の水を作ろう、と。

236 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:17:22 ID:SgKtNaBU

  こんな質問をしたら彼は困るだろうと思ったが、
     それでも、一度聞いてみたかったことを、私は口にした。

       ,,,,、 ,-‐,  __
     _ < ヽ"\゛"´く_,、
    く. `'"   ` `    \
   ,-‐'     ::.. :.....::::::::::::.. \
   く,,,     ....:::::::.;;, -―‐ヽ_ :ヽ__
  ┌"   .::::::; '´/  ヽ ヽ l'___:.:l\`‐-、==、
   `'7   .:::/  /    ヽ ヽl" l `l:;;; ,`="、
   l,-, `::/         l, .lヽコ l  l :::lヾ= '/__
    l_....::;'   l  ,   l   ll  l l,ヽ, l  l  )lヾ=<  ――メインになった魚は、
     ー、l'l   l  l   l| , l| l,/'l| `、l,'ヽl ,-'ヽ \\     罪悪感を抱くと思う?
      l.l |l l,l, l,l , /l//,,,=t,l lヘ@>'  丶  \\  
       ll、 l、 l`,r==、   '(;;;;,! |. ll'//`ヽ  ヽ  \\
        `ヾ`lヾゝ;;,ノ      l .ハl"  ヽ  ヽ   \ゝ
            l.イヽ.  `-‐  ,,,,l /ヾ、   ヽ  ヽ
          //l >- 、 _, '´// ̄ヾゝ、 ヽ  ヽ
        ノハl'´:::: ::::<@>、===ーハ'   ヽ   ヽ



            / ̄ ̄\
          __ノ ヽ、,_  \
          (●)(● )    |  メインになる魚が、だって?
          (__人___)    |
              |` ⌒´   u. |
           |        |
           ヽ      .イ
          __「ヽー'ーー"/7_
    _, 、 -― ''":::\::: ̄ ̄:::::/::::::ヽ、
   /;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`'ー、
  丿;;;:::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
  i ;;;;;:::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'、:::: !
 /;;;;;::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: i:::::: |
 l ;;;;;::::::::::::::::::|;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::: |


   すると、彼はとても困惑した顔をして、
      必死に何かを言おうとしてくれていた。

237 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:17:54 ID:SgKtNaBU

   申し訳ないことをしたと思いながらも、

     彼が自分の思っていたとおりの人物で、私は嬉しかった。

        {:::.:::.:::>.::´ ̄ヽ、 ,. -一 ヽ_
    ,. -┘.:::.:/:.:::.:::.:::.:::ノ::.Y:;___.:.:./.:.:.:.:.ヽ
   (.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:::.:;:、;:;∠二:.ヽ`ヽ.:.:.:.:.:.:.:∟、
    ):.:::.:::.:::.:::.:::.; '´ //〈.:.:.:.:\ \.:.:.:.:.:.:.::ヽ-へ
  r''".:::.:::.:::.:::.:::/ / / / ハ `ー‐┐\ ヽ:.:.:.:.:.:.:ノ=ニ):\
  { ::.:::.:::.:::.:::.; ′  /      |   {_:.:.:.ヽ ヽ:.:.:.(二`V/^):、
    ̄つ.:::.::/   / ,′    |    |  ̄ヽハ. i.:.:.:.:.`i!ヽ.!_/:./
   (:.:::.:::.::!l!  l  i      |l!   |  ノ:.:.| |:.:.:.:.:.:||:.ト、;:ノ
    `7:.::|l|  | ハ      ;'|     し-、| |:.:..:_ノ.|.:| |
      ヽ|H  | | l__,    / |  /  / ノ|/:.:ん. l |:.| |  変なことを言ってごめんなさい。
       |l!ヽ. 代「 ヽ.  , / `ト、/! ,イ. く:.:/:.; -┘| L」 !   忘れてくれても良いわ。
        |  l N.--ミ ヽ/ソ _レ'´ lメ // |/  | |   |
        |  ! |l,ィ^h.、    ´ ̄ ヽ 1  |     | |   |
       | !( { { | | ' _, """ ノ!|   |    | |   |
      !.| |_\  ヽ、    _,. <._| !  |ヽ.   | |   |
         !/〈.:.:.Y_>、 }、 ̄´;:;:;:;:;:;://|  |:.:.::',  l l   |
       ム-レく.:.:.:_}ノ:@;:ニ、;:;:;//;:;! 、|:.:.:.:.:L_ ! !  |
     _,.∠=ニ〈:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ニ  V;〈〈_;/| ヽ:.:.:.:.:.:L_l !  |
    `ーニ二_‐ヘ.:.:.:.:.:.:.:.:(゙こ  /'^ヘ V:.:\ \:.:.:.:.:{! |   !
     <:.:.:. ̄} .:.:.:.:.:.:.:`} ノ:.:..:.ハ V:.:_>- ヽ.:.:.:.} |   i
      |_>'7.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y.:.:.:.:.:.:.:.::.:>'"  /:.:r‐'´〉、  i

      彼は、優しい。

              だからこそ、だ。

238 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:18:25 ID:SgKtNaBU

  優しい彼は、自分が『メインの魚』になってしまったことを知ると、
 
        大きく悲しむだろう。後悔するだろう。

                     ___
                /::ヽ__/::::::::::::ヽ\
             /:::::::\::::ヽ::::::::::::::::::\\_
               /::::::::::::::::ヽ::::::`::::::::::::::::::ヽ: ::\
           /:ヽ::::::::::::::::::::>z、:::::_:x==斗: \z、______
              ヽ::::\:::::::::::::::::,."´     イ\: :V∧: : : : ヽィ::ヘ
              }::::::::::>:::/         ヾ: : : : V∧ : : : : : : : : !
           {¨:::::::::::::: :/         ヽ   >、;;: V∧: : : : : : イ
            廴_:::::::::::/  i!   ト、    i人 イ: : : : }iiiii} : : : : : | |、 …じゃあ、今度こそさようなら、ね。
              ノ: : /   :|    iハ   :ハイ テ: : : /人i}:!: : : :::| |k\  また大学で会いましょう。
            /::::::イ  i  :|    |.ハ  / ! / j / | ̄{ .Y ̄Y.| |:ミハ
            \::::{   |  |,    :|川 / レ' !/ ハ .|ト イ   .|.| | ハヾ;;、
.                ヾト  ヽ ヽ   |.ノ !/  ィヤたかト .||:イ   |.| | ハ ヾ;;、  次は、私がオススメの小説を持ってくるわ。
.                | \ ト {ゝ_从.     弋 ぅツ| ! ||彡  ,.任i!    V/シ    綺麗なお話だから、読んで欲しいの。
                 |   ヽ八 fヤ゚心       、、、 | ! || }レィ /.| |   ト"
               Vハ   ∧乂ツ         .| ! ||// /.|.| |.    |
               ヽハ    ハ 、、、 ,      | ! ||イ.:/ |.| |.    |
                 i!  iハ人     _ ノ .| ! ||三ミメ、|.| ト,   .|
.                 小  |∧  ≧=  .. __ イ|. ! || : : ハ|.|,ハ!.  .|
                 /i!   | ',  ,.イ::}{::::::::::::! i i!!:::::::::::Vヽハ.   |
.                / /!   |  ム-、:::::::人:::::::,ィ' ` .ノ77;;;;;;;;;;;;;i:::: ヽ

.                         _______
                       /    \,-、__
                     /_,ノ  `⌒ ヽ.,__ ヽ
                     | (● ) (● ) ,.! ┴-'、
                     |  (___人___) 〉-‐‐´ l そいつは、楽しみだろ。
                     .|       u 〉--‐´ l
                      |        iヽソ   l
                     Λ      ∧`;"   '、
                    __,. ィ仏 ___、___ ィ_ノヘヽ、 _,.‐ー、_
              _,. -= ''' .:::::::}:::::::::::::::::::::::/::::::::>´..:::::::.. ヽ`.、
            ノ´ ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈 :::::::::::::::...\::ヽ
          / ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ::::::::::::::::::.. ヽ:}

       それでも、私は彼の『パイロットフィッシュ』になりたい。

         そして、彼は素敵な人生を歩み、私は今度こそ、罰されるのだ。

239 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:19:02 ID:SgKtNaBU

 私はやはり、彼の優しさに甘えていたのだろう。

                  / ̄ ̄\
                /  ヽ、__ .\
               (⌒)(⌒ )   |
              (__人___)     |
                    l`⌒ ´    |
               |         |
                  | 、   _,.ーへ
            _. -: ::::ヽ__「     v、___
       __,. <::::::::::::::∧:::二〈 、      ∨:::::\
     /:::::::ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::ヽ_〉、    -ー、:::::∧
     /::::::::::::::ト、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー/ ::::::::>:、::ハ
    〈::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::く::::::::::::::::::::::::v::、
    /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Λ::::::::::::::::::::::::ヽ|


  でも、ずっと甘えているわけにもいかない。

   私は、彼の邪魔をしたくなかった。

240 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:19:34 ID:SgKtNaBU

    彼もまた、私の大切な友達なのだから。

                           _,.___
                      ,-‐イr'¨¨´~_}
                    r='´r‐、ノ    しヘ
                   / _  j ,.        丿
                   / 「 └'/      └ 、
                /  r:ノ ¨¨  ̄` ‐-  .  _」
        __  /`=へ/!  Lイ        ヽ  \ ヽ
         l ̄`ヽ!   /.:::/   __〕  ,j! .i   :  i  ヽフ
      /l二二lツ ーl.::::l  /! ノ  /|  |   i  ! 、 ハ
      ヽ  //|_   l:::::{ ' L}  /斗イ!ス、 i!メ、j l l !
       ヽイ lj」   !:::::l  r ソ, / ,ィf羔ミ, ヾノ川!リヽj !
        ./' |  l|_   l::::::', ハ八ゝ〈{ 辷tタ    f市k| / l
       .,イ ,  l|::!.j  iイハヌl_) |  xxx      ヾツリ′ノ
      l::| / :/!:| ヽヘゞこソ:::i i!         ′xx{ ,′
      l::|'  .:l |」  l::ト、ー'ヾj i:!      r‐ ォ   }iヾ:、
      ヽ! l|   l_j! lー-/ Ⅳ:、      ̄´   ノ ! 〉:〉
       /  ,: l    | :l i  /;:::::::\      イ |´
     ,:′ / !    :' / ,」∧ヾ:::::::::::`xr=ァ「´\|ヽ  ヽ
    ,/,: イ  .!    _」 / _,′} ,〉::::::::::::;:{kチ}::;:::::.ヽ > ノ
    //!  |   l  / ノ  {  //{`:::::::::::::ヾtイ:;'::::::::/\〈
  /,/ i  .!   l,. rj ゞミ二二ヾ::::\:::::::::::::;l|;:::::::::;イ:::::/} }


     だから、いずれ、私は彼から離れないといけないのだろう。


      それまでは、彼を支え、隣で笑わせてもらおうと思った。


          ――そんな資格が、なかったとしても。

241 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:20:02 ID:SgKtNaBU

  私は、今も変わらず、嫌な子だ。

\ 丶 ヾ 丶v \ ヽ \丶丶、 丶\ ヾ 丶丶\、 ヽ \ \. 丶
ヾ丶\ 、\ヽ 、丶\ \ヽ丶丶 \ \ \ ヾ 丶 ヽ丶 丶 \ヾ
 ヽ 、ヾ 、ゞ ヾ丶 ゝ丶\ヽ ゝヽ丶丶\ \ 丶 \ 丶 ヾ丶\ \
 ヽ \ 丶\丶ヽ\ 丶 丶 ヽ ヾ ゞ 丶 丶丶 \丶 ヽ \ \丶\
\ 丶 ヾ 丶v \ ヽ \\ \. 丶 丶丶 \丶 ヽ \ \丶. .、 ヽ
ヾ丶\ 、\ヽ 、丶\ \丶丶 丶丶 \丶 ヽ \ \丶/,,;;;;/ ,,,...
 ヽ 、ヾ 、ゞ ヾ丶 ゝ丶\ ゝヽ丶ヽ ゝヽ 、ゞ ヾ丶 ゝ/,,,;;;/  册册
 ヽ \ 丶\丶ヽ\ 丶  ヽ ヾ ゞ\ヽ ゝヽ丶丶 、/___/  _,. 册册
\ 丶 \ ヾ 丶丶\、 丶丶ヽ \  \丶 ヽ \/ /| _,.-r'| | 册册
ヾ丶\ 丶 ヽ丶 丶 \ヾ \ヽ \  \丶 ヽ/ / ,..| | | | | | 册册
 ヽ 、ヾ \ 丶 ヾ丶\ \ \ ヽ\\丶ヽ/'~T.,./|川 j_l,.r-'¨ 卅卅i_,.
 ヽ \  \丶 ヽ \ \ヾ丶 丶丶丶   /,.T¨il i l l l川__,,... -‐ ¬¨
\ 丶 \ ヾ 丶丶\、 ヽ \ \.    ,l:lj|川_'¨三.ノ____,,,,,.....................
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; \ l j|:il|‐/jlllllllllll/|\ \ ヾ  \
__,,.. .-‐ '''""~" .;",:;".;..;.,:;".;.".;"=='-i,jl| jj| ロコ   | ロコヨ ∠二∠ 」
.;.;".;.;";".;.;"..;.;";.;.,: ;.;". 三三 ' -f,  .i田l|     |目田|
.;.;".;.;".;.;".;. ,:. ;;: ;.;".;.;".;.;".二二二' -|.,_.j|     |l.l.l l.l.|
".; ;".;.;" ".;..; .;".;..;".;.;". -------------' - .,_  j! ニ二|
.;.;".;.;";".;.;",:.;.;".;.  ;.;".;.-------------------'' - .,_j|
".; ;".;.;".;.;".;..;".;.;".; ;".;.; _______________________________________¬

                 でも、誰かにそう言われた訳じゃない。




          本当は、誰かにそう言われたかったのだ。



         たとえ、許されなかったとしても。

              なにひとつとして、変わらなくても――。







                 つづく

242 : ◆gDQ5bE8qg2 : 2012/03/16(金) 22:22:49 ID:SgKtNaBU
ということで、これで番外編の投下を終了します。
「あれ、小説のタイトルがないけど?」
と思われた方もいらっしゃると思いますが…
あくまで番外編、と思い、小説は直接絡めませんでした。

色々と思うところがあるかもしれませんが、
次回以降の本編で、そちらを解消できるように頑張りますので、
またどうかお付き合いくださいませ…。

では、閲覧、ありがとうございました!

243 : 名前なんて無いだろ常識的に考えて : 2012/03/16(金) 22:28:28 ID:32XaTG8s
乙でした!
真紅さん、すげー重い事を考えていたんだな~。
次の投下も楽しみにしています。

244 : 名前なんて無いだろ常識的に考えて : 2012/03/16(金) 22:32:43 ID:voo9dNBw
乙でした
なんとも厄介なものに縛られてたんですね…。ここは颯爽とやらない夫が断ち切ってくれると信じてます!

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