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黄金の魔女ベアトリーチェの宝飾店 第六話

目次 現行スレ

103 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:04:06 ID:sFIbgR5gSa

     =‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=
                           BGM : https://youtu.be/966iPSlYj2A
     =‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=‐=






                                     _____
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                      ∥ .:::/:::::__ /-=ニニ.У⌒〈ニニニニニニ}   \_:/⌒ヽ
                    {  {人:::/∥ニニニニ{   ∨ニニニニ ノ  }:::://⌒ i:|       ちょっとばかり昼寝して
                         {={ニニニニ∥    ゝ---‐ '"´   彡'〔:::::ノ  |
                          ',乂ニニ=-〈_  _ ノ           ):( /.ノ      リフレッシュしてくる。
                           、|  ̄    . . ..       ┐    (:://
                           八         ―――--/      Y__/
                               〈  -‐'''"~ ̄ ̄ ̄{      |:/
                             、   ∨/> -/⌒ア./      /
                                 `、  //___//      /|
                                 //  -----       /:.:|
                             (,;/',    -----      /::::/ |、
                             /ニ込              イ::::::/ | |\
                             /(ニニ| う=-――.....:::::::::::::::/ /|=-_
                             /ニニ\/    ``~、、:::::::::::::::::: /  |ニニ=-_
          _    -―――――-=ニ〈ニニニニ\       ``~--<     -ニニ-_\_
      _ -ニニニニニニニニニニニニ '/ニニニニ \        ////∧    -ニニ-_ニニニニ- _
    /ニニニニニニニニニニニニニニ|/'/ニニニニニ\        i'/////|    |ニニニ-_ ニニニニニ

         ┏┓
         ┗╋━━━━━━━━━━━
         ┏╋───────────
         ┃|
         ┃|   そう言ってサングラスを掛けた人好きのする笑顔の男は、長方形の黒いケースを
         ┃|
               片手に、物々しくスーツに身を包んだ部下と思しき男達の詰める部屋を後にした。

.




104 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:06:16 ID:sFIbgR5gSa



                                  ______
                                 /::::::::::::::::::::::::`ヽ
                           /〃〃:::::::::::::::::::::::::::` 、
                           /:::::::::::::::/.ィ//:/"´``ヾ`ヽ
                              i:::::::::: //// ///     ミ:::::::',
                            i|::::::, ///   / ハ      ミ:::::::',
                           从:j// 乂==-、,_  _,、-==ミ Y:::/
                        乂:::{_仁三三三}⌒{三三三气_}::{
                             /⌒YV三三三/  ∨三三三jY'^ヽ
                            { {⌒j `ー─</  、`ー─< } し'}
                            \`ハ      ヾ.:.::ノ      ハ. /
                            `ー:.    、_____ ,    //
                              /ヽ     _,,      イリ
                             / ̄ ̄`ヽ        /ヘ:\
                    圭二二ニ=─-、_)、_____/   ∨::\、
                        /, ′/´ ̄ ̄`ヽ 八  /       ',::::::∧`:::...、、
                     _ .. ´.::/    , -―- 、__ソ /二∧      j!:::::: ∧:::::.:.:.:` . . 、
                 . : :.:.::::/  / , -―- 、__ソ'///∧     ハ:::::::::∧:::::.:.:.:. . . . .
                  . . : :.:.:.:::{    /  _ `ヽ∧////∧   /  ! ::::::: ∧:::::.:.:.:. . . . .
               . . : : :.:.:.::::::::l      ////`ヽ丿 ∨/V〃\ /  ! :::::::::: ∧:::::.:.:.:. . . . .
               . . . : : :.:.:.::::::::l    `Y/////ヽ }//{    ′  ! ::::::::::::: ∧:::::.:.:.:. . . . .
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         ┏┓
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         ┏╋───────────
         ┃|
         ┃|   サングラスの男が居た部屋に詰めている、剣呑な雰囲気を遠慮無く発散させて
         ┃|
               いる男達の中で幾人かが、サングラスの男が出て行った扉を開け、同行しよう

               としていたが。

               部屋に残された中でも上司に当たるであろう男が片手を上げて制している。

               符牒であったのだろう。

               サングラスの男は、独り、悠然と目的地へと歩き出していた。

.

105 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:08:22 ID:sFIbgR5gSa


                                                          
                              _                          
                            -‐: : : : : : : : ‐- 、                        
                        /: : : : : : : : : : : : : : : : \                 
                         _ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ                /⌒)
            .           /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.i              (   )
                      /: : : : : : : : : : : :.:.:. .:.::.:.:.:.:.:: : : : : :|               ゝ__ノ
            .         /イ: : : : : : : :.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:: : :.|         /⌒て_
                    {! |:ハ : : : : :.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.}_        ,,ゝ     ̄)
            .          |! }ヽ\:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:; }       (       /
                         { {  }:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::::.//    ー----´--‐‐~´
                      ヽ、ノ {:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.//
                        } i\:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:{'
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         ┏╋───────────
         ┃|
         ┃|   男が悠然と歩く街は、魔女の言う所のひとの世。
         ┃|
               東南アジアに位置する或る君主国家、その南部の港湾都市。

               かつてはフランス租界が存在していた為であろう、整然と雑然が混交とした

               有り体に言ってしまえば猥褻な街並みから、じわりじわりと陰惨さが噴出し、

               熱帯の海風に乗って住民のじっとり汗ばむ肌に吹き付けて来る場所である。

               そんな際疾気な街を悠然と、自身の埒内と言った風体で歩く男とは。

.

106 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:10:28 ID:sFIbgR5gSa

  -=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-



     、人  ヽヽ   `¨`  \
     `¨', ` 、 jノ      _ /
       ':,  ∨  、.,,,____,,..{
        \ }   `¨¨´ノ           ……オッタヴィアよ。
     Vヽ_,,. ノノ=- _   /、
     .,_ / /   `¨¨ }i           其方の眼には、暫くの間
     ニ〈くニ7   /´‐- ノ
     ニニ心ヽ __rァ「 \)、             猛毒とだけ写る客が来よる。
     `¨¨¨¨ノ \ ⌒ 、⌒芋ミh、
             `ヽ `、ノ¬‐ム        奥向こうで大人しくしておれ。
     \    __,,.    ':, V/ノニ心、
       `¨¨´       ', ∨ー∨二心、
                   ', Γこ{ニニ二ム
                } }.,_ーニニニニ}
                / /廴フニニニ7
     ―- 、 _,,... -┐゜/=ー(ニニニニ/
       ,.  ∨     }‰ 、ノニニ‐/
       \'⌒ヽノ   { ヽ くニVこニム
     -―乂__ノ'"´ ̄`}/)冖二ヤニニ込、
     _,. ´,ィi{心、ー- /ニニニニ}ニニニ心
     h、,ィ(二二心、/こニニニノニニニニ}



                              ,. . .-―‐-. .、
                       ,. .':´: : : : : : : : : : : : :`ヽ、
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                   l/| : |: 「!` !:|ヽ:.:| ', : : |: : : : :l: : :',: : : !
                    l! !: :|:/!,_  |:| ヽl``ト、|: : : : :|≫:.l: : : !
                      |: :|; ゙う!ヽ l!   ヽfォx、!: : : : :!≫:.| : : |
                      |: :l | ヒ!      以 ゙|: : : :.:ト、: ノ: : : l      毒……?
                     |: :!:|  、    ¨′|: : :l: ノ ノ/: : ∧:l
                    |: :! \           |: : l /イ/!: :/ ヽ!      分かった。奥に行ってる。
        .              '; :ト; :/>.、`_ ,,, ...|: :/イ: :/ l:./
        .             __V,.V-‐ト;/ミ=‐=''"| /.`レ'‐-レ、
                  /       /{_}\       ‘,
        .          /         // ̄ \\_,      ‘,
                  /      r</..     ー、\.     \
        .      /      // ̄¨うぅrぅrぅう心'''\\      \


  -=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-=≡=-

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107 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:12:27 ID:sFIbgR5gSa



                     / ::::::::::::/: : :/::|::::::::/: : : : : : : ___      ミx::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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         ┃|
         ┃|   猛毒。黄金の魔女の人物評からして、猛毒と言っても差し支えなかった。
         ┃|
               街の吹き付ける陰惨さを泰然と受け止め、歩めるのは何故か。

               男が街の陰惨の根基を成す一人であるからに他ならない。

               と或る港湾都市、複数の犯罪組織により共同支配される悪徳の釜底、路南浦

               (ロアナプラ)。

               この路南浦を実行支配する一角、香港を拠点とする犯罪結社三合会。兇険の

               都市を擁する国での三合会支部、その長であるからだった。

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108 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:15:12 ID:sFIbgR5gSa


         三三三i = }|                        ____
         rfzrfzrく=くj::{                         }/////{
         ルルル{リイ!|                     _///////\
          ̄ ̄ ̄ ̄| | {_______________}K}三三三三く
                 | | {三三三三三三三三三三三三三三{乂,イ|      |!  : : :.
                 | | {玄!                    }文{イ  !       |!  : : : :.
                 | | {rfi{                       }fマ{  |      |!  : : : : :.
                 | | {セi_____________忙リ   ゞ===彡  . : : : :
         ====<| | {り>≦i{     __ ノノ    : : : : . . .       . . : : : : : .
                 | | {爿辷之}    .// ̄ ̄      : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
                 | | {k八K{   //            . . . . . . . . . . . . . .



三三三三三三三三三三三三三ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ===========───


             二ニ=-"'~ミニニニニニニニニニニニニニニニ‐``
             ニニニ㌻´‐=}j~ミニニニニニニニニニニニニ/
             == ===-‐{ ノリ,;::  ´"'~==ア二二二ニニニ,′   ,.、、、
             == ===-‐}/.,;::.:..        {二二ニニニニ/   ,ィ(=ミム
             = ====ー,゙,;;;;;;:;:;:::.:.:.       ヤニニニニニ7 ,.ィi{く⌒寸ム}}
             = ===‐ア,;;;;;;:;:;:;:::::::::.:.:..     }二ニニニニ,゙ィi{Ξ ̄ 刈忖∥
             ミ===彡リ,;;;;;;;:;:;:;:;:::::::.:.:.:.:. .   }二ニニニニ叭⌒ヽ ``寸7∥
             辷_彡',;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;::::::::.:.:.:.:.: . ニニニニニニム寸心、__ノ/,'
              "''  .;;;;;;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::::::::::::.:.:. 二ニニニニニニ}i}‐ニ心///         . ,イ  ,イ  ,イ,イ
                   ``ヾミ:;:;:;:;:;:;:;:;:;::;::;::::::::二二二ニニニニノノ心、ア , ゙        __/.ム_/./  レ'レ'
                     `'::;;:;:;:;:;:;:;::;::;::〈ニニニ二二,.ィi{ニニノ /        ヽ=, ,.--., .二7
                         ゙':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.寸ニニ_,.ィ(ニγ㌻゛          /″ .//
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                                 ' 寸ニニ彡 ゛
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         ┃|
         ┃|   そして、些か雑然が勝って来た路南浦の街を独り歩む男の目前に、ほんの数瞬前
         ┃|
               までは悪徳の街に存在しなかった、見る者の意識をぼんやりと惑乱させるガス灯

               看板と、豪奢端厳たるバロック様式の観音開き扉が顕れた。

               何の迷いも無く足を止めた男は、観音開き扉に手を掛ける。かと思われたが。

               扉の前でネクタイのディンプルを確め、就いている地位に相応しからずの徒歩移動が

               為に少々ずれたサングラスを直した後、魔女の宝飾店の扉を開いたのであった。

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109 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:17:19 ID:sFIbgR5gSa



                      __,、.. ./: : : : : : `ヽ、
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                      Yヽl イ-''  丶    |/ソ、     歡迎光臨, 張大哥!
                       ゝ)、     __,   ノr'./
                       /`Y、  ` -‐  /r''.(
                        (__ ゝ>、   /|'  `
                           )   ,ヘ. ̄_,, ィ:| __r‐、__
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                       /ィ:.:.:.:./_,ノ  }!   _____}:.:.:.::.:|
                    , - 、      |:.:.:./≦ ___r=ミ///////}¨込-‐、    ……唔使, Bice.
                 i   ',     |/{:{,イ//////  V/////ノ V/~} }
                 |   i      { }V/////     ̄ ̄    〉y/
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110 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:19:30 ID:sFIbgR5gSa



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                    /:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::/:/://:.:.:/ノ.:./:/\ \  i
                {:.:./⌒刈:/{:/乂_,ノ.:/_/.:/{:|   ;:Y ヽ i       香港の店かホテルだかに
                |:.:{ { ツヽ}ノ  \77斥ュ二ヽ  |!  i:.|   ', }
                    |:.:', いr''     {//////7  /ミ、}:.}ヽ.  {      来た気分になる。
                 i:.:.ヽ i      弋/////ノ⌒!升≧.レ′  |
                i:.:./ 〉         ̄ ̄   .!/////}    |      此処はそう言う場所じゃ無いだろう?
                    }/ {         r _   }////ノ     !
                  ,ィ   ヽ     _   `ー‐′/  ヽ     }、_
         _ _ ,< { \  ',\    '´   ̄`¨¨ ./\_  -‐ ''''    }7Tヽ
    ̄ ̄ ̄    /    |   \}  \    `ー ' ./    ヽ ヽ   .// .|. ヽ
          /     |    >._ \    /        \ ./ /  !  \
   .      /       |、      ¨ニ7`┬'<¨ヽ      //  /  !    \
   .       /        .| \      /ィ777 }   \ ___/    /  ./      \
        /        |.  \    /{/////} {    \   {\ / /           \
   .    /           |   \  / V///,{ヽ\    \ ヽ__/            \
      /         |     \/  }////} Ⅵ.      \ }                     \



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                      _r ⌒⌒   `ヽv⌒ 、
                    ノ─‐   r  ̄ ̄ ̄`ヽ ハ _
                    f        - ミ    \ }
                __/ / ̄          \   \
            ィ==ヘ//Y / /       ', ヽ     ヽ     |i
           f/////////∨ ' /      } l ヽ ヽ     li       歓迎してるってのは、偽りねぇぜ。
           {///__////{ ,' ,'  /   / ハ } } } |l |  }
             ゙'''- _r/////{ { '  l{l  /}   l } } } }l |l l l      それとも。お膝元、香港のホテルでも
             ィi〔///////{ ∨ {lf寸 //ノ-‐v⌒`/⌒`l |l}
           {/////////∧ 丶_ノ  ̄       ,ィ´ l、_ィぃ} |ニヽ       大哥と呼ばれてるってぇ自負かぁ?
            \//f'辷//ハ l }___    f/ ,斗,7仄 { ノ
               V'"ノ/////} l }、_辷__=ミヽ  〔`ー彡' V ∨       えぇ? 張維新(チャン・ウァイサン)よ。
               {///////} l人`ゝ-’'^¨            l弋
               ``'~-v' 人ー、           ァ '  \
                 _ /‐'  `>   、__ __`_"-‐//     丶
             / ̄         >、 `ゝ--‐ //    _  _ ` ー-   --、- 、
            lf               ∨ >--'   ,'    /////〕iト        `ヽ\
            {{     _ --、f´ヽ       |^ハvvvvvv{ノ⌒V\///////〕iト   マ二< ̄
             寸ーこ_/////\_)     _ノ////////|__ /ノ \__ \/////ヽ   ̄\
            /_r─'⌒寸//八 )‐ヤ ´ ゝ======‐'| ー、ヽ  /////\\ ///∧    ¨ヽ
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111 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:23:56 ID:sFIbgR5gSa



                     /::::::::::::::::::::://⌒´   ヾミ::::::::::::::::::::`ヽ、
                     /::::/:::::;:イ://  _____   ミ::::::::::::::::::::::::::ヘ
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   .             /イ::::::/::::/ /´/∠才77777ハr=;,、ミ:::::::::::::::::::::::::::∧
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               / !:::::/:::!/≧、_{////////////    \::::::::γ⌒ヽj
               |:::/ハ////    V/////////       彡\:/∠`ヽ i     そうかい、そうかい。歓迎して
               |:/ i {///    ` ー─一 ´         彡イ {  } }l
               i′ V´   ..........)                )(  ノノ     貰えてるんじゃあ、恐悦至極ってな!
                    i`ヽ:::::::::::::ノ                    ノ ノ イ
                  ',  `""´               ム  /:::/       その悪たれ口を聞いて安心したぜ。
                       ',  ー=ニ二ヾ 才        ト ,.イ:::/\
                       ',    ...,,,,   \\         j  ヾ:イ::::::::ヽ
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         ┃|   ある意味、至極真っ当な宝飾店の店主らしい挨拶を一先ず口走った魔女であるが。
         ┃|
               【張維新】と男の名をぞんざいに呼び、魔女を短縮形でビーチェと呼んだ、互いに遠慮

               会釈の無いやり取りをしている所から、魔女にとっては馴染みの客である様だ。

               Miasma. 希語で「穢れ」を意味する言葉であるが、それが闇夜色に凝ったが如くの客、

               張は、自らの居所でもある三合会支部から持ち出して来ていた長方形の黒いケースを

               アカンサスの有機的曲線が彩る優美華麗なテーブルに置くと、椅子には座らず、勝手

               知ったるとばかりに、艶めかしい真紅のベルベットカウチソファに腰を下ろす。

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112 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:25:47 ID:sFIbgR5gSa


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                    ゝ-,  /   /       ヽ  >'/ ノヽ' }        呷らせる心算は更々無ぇが。
                      !_,i   l   i  i   i'、彡 /ノ< Y
                       | i  i   i  l  '、 __,',i ヽ,/! i i-{        何を飲む?
                        i '、_'、__ゝ-`‐‐'"_,,-‐' } }-'、/
                          '、ー_.  ‐r‐tニア  !ノ  !        良ぃーい白牡丹の茶葉の
                          `、` ゞ'ノ    ̄ ,,,,, {!、ノ
                           ','''' ヽ     ,    }i ヽ         用意があるぞ。
                       , タ.   ヽ、  ‐='"   / !'"
                    ,, ", "      ` ‐ ,,__ ,/,,// i     __
                  , ", "       ,,-=''''''''i、ニ-‐'"  ノヽ,,-'" __`、__
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                 |'Y////ノ¨{///////}7 ̄ ̄ヽ.:.:.::.:.:.:.:.:.:.}
             .    {///  ヽ///少'      }:Y⌒ヽ:.:.:.|      是非とも、俺の為に飛っ切り
                  `ー{    〉  ̄        .V ,ハ .}:.:.:|
             .   r、 { `ー             ノ心 /:.:./       美味いコーヒーを淹れてくれ。
                 \\               し' /:.:./
             .      { ⌒¨''ヽ、          r''{¨:.:.:./        酸味より苦味を楽しみたい。
             .       }             /  |:.:.:/
             .      |                /   !:.:{         マンデリンを頼む。
                     {          _ -‐′ __|从__
                   ヽ、 __,,.. .-‐≦ _ ,<   〉 \
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113 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:27:51 ID:sFIbgR5gSa




                               ..._,,.. --ー―ーイ.,
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         ┃|   白牡丹とは中国茶の一種、白茶の銘柄であり、三合会本拠地の香港で好んで
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               飲まれる茶である。魔女の悪態が続いたが、軽々と応対する張であった。

               ……そうして、マンデリンの苦味と独特の後味を張が堪能している頃。魔女は

               と言えば、中国紅茶の一つ、金駿眉を自分の為だけに淹れて香りを楽しみつつ

               対峙していたのは張の持ち込んだ黒いケースの中身である。

               黒いケースの中身は、宝石を煌めかせるカッティングを施す以前の姿、様々な

               宝石の原石と、カッティングが施されたルース(裸石)であった。

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114 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:30:54 ID:sFIbgR5gSa




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         _ 人 _          |      \                           l
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                                               \i ゝ
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         ┃|
         ┃|   ありとあらゆる罪悪を煮詰めた街、路南浦から東に程近く。そこは路南浦を擁する
         ┃|
               国と言う単位だけでは無く、世界規模の宝石産業にとって、重要な宝石取引市場と

               される街である。

               ひとの世で言う15世紀頃には、サファイア、ルビーの良質な原石の産出で知られ、

               中でも黄色のサファイアは世界最高峰の品質が認められると、世界各地から石を

               求める者達が集まる様になり、時代が降るにつれ、かの街での宝石カッティング

               技術が磨かれても行った。

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115 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:33:54 ID:sFIbgR5gSa


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                   〃ニニニニニニニニニニニニニ≧ 、
                    , ニニニニニニニニニニニニ /ニニ∧
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          ┃|   路南浦を擁する国から産出される宝石は、かの街の加工技術が高い為に、或る
          ┃|
                たった一年の年間計算だけでも80億ドルの宝石、宝飾品が出荷されたと言う。

                とは言え、かの街が抱えていた鉱山は、15世紀からと考えれば当然の帰結だが

                底が見えて来たとされ、街で流通する原石に付いてはアフリカや南アジアを代表に

                世界中から複雑なルートを経て、集められている形となっている。

                宝石加工技術と販売、輸出に確固たる基盤を持つ、かの街の市場を経て世界中

                へと羽ばたいて行く宝石達。

                と、言えば聞こえの良い事実ではあるが、それだけでは無いのがひとの世だ。

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116 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:38:10 ID:sFIbgR5gSa



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            .    ヘ ',  iヽ _j Ⅳ∧  ////////// >''      / \ __\三三三彡__
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         ┃|   かの街の原石取引市場を泳ぐ者の中には、如何にも宝石の原石と言った体に
         ┃|
               作ったガラスや、合成石を天然物と偽り、売り捌こうとする者も居る。

               そんな者は未だ可愛いと思える事実としては、かの街に集まる代表的な原石

               産出地域のアフリカ、南アジアは見方を変えれば武装組織、テロ組織が営々と

               息衝く紛争地域と言う事実。

               そして、そうした組織が宝石や貴金属を資金源とし、活動しているのだ……。

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117 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:40:49 ID:sFIbgR5gSa


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                          / /ー 、ヘ;';';リ={;';';';';';''}-‐‐i:jに }:::/
                          , ′-∠⌒ヽヽ¨7   ̄ ̄     ク /:/      どうだ、ビーチェ?
                         /    、二ハ_ノ ヽ         ノーヘj′
                   /     , -ュ }  ヽ  ̄ `    /   _i、
                  /       / (_/   '、__ /   /  ハ、
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    :::Y::)人::::::ヽ:::::::ノ:/: : :l: : : : : : : : : :l: : : :l: : ヘ:ヘ
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    >'"::::Y::::::::::/  ./: : : :.|: : : : : : : : : :||: : : |: : _|:.|: ノ
    ::::::::ノ::::::::ノ、___ノ: : : :.:.|: : : : : : : _| l‐‐/ ̄|:.|:彡      一番の御懸念通りって奴だ。
    <::_ノ-イ:、: :`: :|ィ`:`:─<´      /-- _,|:|ノ|
     .    Y\: : :|: Y____‐__.-、`ヽ   '彡モタノ .|{ |      ブルーサファイアの原石だが、産出地はナイジェリア。
         |: ∨:/`Y| `人ヲクノ`      ` ´  ハイ
           \ヘ|   ハ  ` ´           | ',',      染み付いちまってる残留思念を読んで観れば
           ヽヽ//ヽ       、 .,      / .',',
             //\ヘ     __   ィ.   /   .',',     まぁ……、酷いモンだったぜ。
              //  `ヘ\     -‐  ./   ,ノ
            ヾ、  マ }_ >      //   /       其方らの均した別天地、路南浦にも食指を動かそうと
               )  .〉-ソフヽ_r‐、_´__/> (          
              (  |::::::::`::>-イ、<ノ<_/          している腹心算、ともな。
                }::::::::::::::::::::::::::::::::::::{
                /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
    __   ___     /` <::::::::::::::::::::::::::::::{
    `)\/_  \ /      ` <__::::_ノ\     __
    <__/´___,ハ   \ ` ‐‐---- -、       ` ─< \イ´\


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118 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:42:54 ID:sFIbgR5gSa



             /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : /: : : :/:::.:/ ヾ:.:.::./:.:.\
             ,': : : : : : : : : : , -‐ 、:.:.:./ィ/:.::./:.:.:./    }:.:./::.:.:.:.:.i
      .        i: : : : : : : : :://⌒ヽ:.:.:.:/:://.:ィ'    ̄三ミ、/:.∧:.:}.:l
            {: : : : ::.:.:.:.:.:{ {  ,ハ .}三≧二ニニ==─┬┬弌:/ }:/}′
            ',: : :.:.:.:.:.::.:.:.:',  ./ヽj }         ̄|////{j  .|′
             ',:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.', 〈 ノヽ            |////ヽ         そのサファイアには
             ',:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::j、 乂ノ              {///  ',
              i:.:.:.:.:.::.:.:,<ヽ_|               `ー′  V         チェックを頼む。
      .         }:.:.:.,<    |                 / _   〉
             /¨¨       |            r_、_    r''¨       掛けた紐を手繰って
      .     _/        i {             \ ニ=‐-′
         /  >,.        i \           ̄)、 \        それからの荒事は、
        /      >,.    i   \             / \. \
      /          >,  i    >,.      /    ¨¨¨      俺達の領分だからな。
      \             >,     _>, _/
        \              >, /
         \                  >,
           \               \
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         ┃|
         ┃|   そして——……。路南浦に程近いかの街で、膨大な金の流れが有り、世界の紛争に
         ┃|
               関与する様々な武装組織が資金を得る為に活動しているとしたならば。

               三合会が、この男が、何も行動を起こしていないと言う訳も無く。況してや、共同とは

               言え、自らが支配している路南浦に影響が及ぼされるならば。

               調律せねばなるまい。

               徹底交戦でもなく、無視でもなく、調律。それを行うのが、張維新と言う男である。

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119 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:45:33 ID:sFIbgR5gSa


                _____
        _f´ ̄r>: ´//ィ 才  ̄`  .
     .  i  i _ ノ `7  ̄/   `  ̄`  :'.
      / i ̄rf=ミ⌒Y `ヽ    ヽ ヽ ハ
      } / _jr=fハ `ヾー-く  |   ' ∨ハ !:
      〉.」 }彳rfぅ}刈 〉 ハ} i    ∨.∨/从       今回は……、合成、模造は少なかった方だな。
     : }. { / 廴ゞ=彡イ{.  ノ! ! !:i  ∨イ f豸、
     . Y.∨\_f´__彡イ才⌒i| i |: 孑爻 V仆ハ      ルースも有ったが、石の改変処理(トリートメント)の
      L_.}≠ミ乂__彡._/  八i.斗彳..ィ  ヾ i 丿
       人  }.∨∨ハゞ=彡ハ:{ ≠t以   〉{      日進月歩具合が見られ、それも有意義であったわ。
         `ヽ乂∨∨ V⌒ヾ从 `≠    .イハ
            ` < 八 う`ヾ    え:ソi }
               }f´ >-イリ .. ____ 人
               }弐v,  //  .イ__ _ _
               人::::爻//Lzf才
          > ´   \:.:⌒ヾ:.:.:{
        /          ` ー=彡



                       _ ............... _
                    ,r‐::::::::::::::::::::::::::::::::...、
                       イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
                 //:::/^Yヽ:::::、:::、::::::::::::::::::::::ヽ           市場拡大、選択の幅が広がるって
                   リ八 リハ\\ヽ 、、::::::::::::: |
                   ヘ癶、 、,,,、-=ミ、 Y:::::::::::::::l           意味なら改変処理も歓迎なんだがな。
                       {i|i|i}こ戈i|i|i|i|i|} リ/⌒Y:::'
                       {¨7     ̄ ̄ 厶ソ ノ:/          一律、改変処理無し、改良処理は有り、
                        、`ヽ          ー ^Y
                       ', マ二フ    /    i、            天然の名目で集めさせたが、ベトナムと
                        、     / // /ヽ
                         `才_     ´ /.:.:./:.:.:.、        同じ様に信用失墜で、あの市場が瓦解
                     _ ,/.:./ハ      / .:.:. /.:.:.:.:.:.\
                //.:.:ヽ///∧   /.:.:.:.:.: /.:.:.:.:.:.:.:.:.: ヽ       しちゃ不味い。
  .              /.:./.:. /イ////∧,.'\__/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
               /.:./.:. /::/ ///  / .:.:. \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 、
              ノ.:.:′/::/ ///,   /.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.____ヽ
  .            /.:.:.: '.:.:.'.:/ ////, .:′:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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120 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:47:59 ID:sFIbgR5gSa


                         __,、.. ./: : : : : : `ヽ、
                        /Y::)/: : : : : : : : : : :ヽ:\
                       /:∨::/: : : : |: : ,|----_-}: : |〉
                       ∨::〕}..: : :__ィ´  /,-- リ: .|〉
                        `イ:〉:〈 ,,ィミ`   イニ'' リイ)〉
                         Yヽl イ-''  丶    |/ソ、
                          ゝ)、     __,   ノr'./
                          /`Y、  ` -‐  /r''.(           そうさな……。
                           (__ ゝ>、   /|'  `
                              )   ,ヘ. ̄_,, ィ:| __r‐、__         程好い調律、期待しておるぞ。
                               | ̄::::::::::::/ハソ':/::::::Y.、
                                丿-ィ二イ、)/::::{::::::::::}:::\
                        _,,ハYヽ='>'":::/:::::::::\:::::ヽ__:::}:::::::::)
                       /<´`::`:::''"::::::::::::{::::::::::::::::::Y::::/::::ヽ::/
                     /:::::::::::::::::::i:::::::::::::::::{::::::::::::::::::::}:::{:::::::::}:ヘ
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         ┃|
         ┃|   魔女が何をしていたかと言えば、かの街で流通していた原石とルースを張の配下が
         ┃|
               ランダムに買い集め、ピックアップした石を観ていたのであった。

               魔女は、ルーペで見る鑑別以外に、ひとの世の埒外の力で触れた石の全ての記録を

               読み取り、本来なら鑑別機材が必要な真贋、石に施された処理を看破してしまえる。

               読み取り、看破した石の中で、コンフリクト・ジェム(紛争宝石)と呼ばれる武装組織の

               資金源となった石をも探り出し、また、集められた石の真贋と処理内容、問題の有る

               石の比率を伝える事により、路南浦に程近い、宝石市場に沸く、かの街の状況を張に

               詳細に把握もさせるのだ。

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121 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:50:32 ID:sFIbgR5gSa



                      ゝ/´/////彡∧i‐-、
                     /////>≦_フ´゙゙‐-、∧
                   /////{::::::::::::::::ヽ=γ ̄>、
                  /////ゝ、ヽ:::::::::::::::ノ  \::::::::::ヽ
                 ,////   `  ̄ ̄  〈⌒´i‐‐、´
                γ⌒ヽ'       ,,     ヽ ノ   i        あぁ、楽しみにしてくれて良い。
                 i |i、`)      'ゝ二二二二7 ,
                 、` ヽ         `‐-==-  i
                  、ゝλ                i
                   ∨i  、      .<三ヽ ノ
                   ∨   \‐‐ ´/////////
                    〉   \/////////,i
                   / {` 、 \ 、` ヽ////,i
                ゝ´:::::::∧、   ̄   ‐-,-ヽ-‐iヽ
              ´::/::::::::::://∧:.      /‐-‐∨ i∧、
              ::/:::::::::::////∧     ∧:::::::::::∨i/∧`....、
              /、:::::::ノ/////∧   / ヽ::::::::::iヽ///、::::::ヽ::.‐-
              /////////////\´__   }´ ̄∨ i///////\::::::::>、
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         ┃|
         ┃|   そんな情報を三合会では白紙扇(パクツーシン)の地位に在り、軍師の地位に相応しく
         ┃|
               如才ない所では済まない才覚の張に渡すとどうなるか。

               先ずは自身の指揮する三合会が、かの街で宝石を元に資金を得た武装組織に対し、

               路南浦でオイタを為そうとする以前に首根っ子を抑えるか、先手を取るかは、選り取り

               見取りとなる。

               そして、かの街での宝石市場の動向をも、裏から派手では無いにしろ、専門鑑別機関

               への依頼をするタイムロスも無く、僅かのタイムラグで《調律》を行えてしまえるのだ。

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122 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:53:22 ID:sFIbgR5gSa



              .,,)~"';.,_,.
               "~ヽ::、,,..ヾ             | | :.     、     | |L /
              人,._.,)   .,;):、._          | |::∧    , 、   /| √
            ソ'`"~⌒"'(,,.、ソー;~`"'- ー       | |⌒ ゝ    '/,     /
                                 | |    > _'// /rv 〉
                                 _ {リ㍉     |__(ハ //'/     __
                           / -=二 ∨ ∧     |//}/ /'/ // 〉_/二\_
                          /二二l ̄ /し⌒ト--´ ̄/ 〈ヒ) / /〉^〈二二二二
                           二二:/ /二'⌒>)ト   {   〈/ //  \/⌒\二
                          |二ニ:/ /ニニ〈⌒ヽ|   }   ' / 〉 /⌒〉二二二二
                         /=ニ/ /ニ二二V^八   ,     / }っ  〈二二二二二
                          |ニ / /二二二 〈⌒7 \/     / 人,ン  〉 \二二二
                         人 〈 〈二二二二 | 〈  ,'   / /   ̄\ 二 \二二
                          \  '/ニニ二二| ハ /  / YY=-   /\二 〉
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         ┃|
         ┃|   魔女より、張にとっては中々に有益な情報が渡されたが。ひとの世であったなら、
         ┃|
               報酬として金銭なり、それに代わる物なりが交換ともなろう。しかし、この二人の

               間では報酬交換は無かった。いや、これより張のチェスの駒を動かす如しの手に

               よって魔女への報酬となる事柄が成されるのである。

               張の手による裏から派手では無いにしろの、調律。それが、魔女にとっての報酬。

               かの街での宝石市場の、贋物横行等が行き過ぎる為の信用失墜、コンフリクト・

               ジェムを起因とする崩壊を避けるのが、魔女の目的。

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123 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:55:48 ID:sFIbgR5gSa



                     /::::::::::::::::::::://⌒´   ヾミ::::::::::::::::::::`ヽ、
                     /::::/:::::;:イ://  _____   ミ::::::::::::::::::::::::::ヘ
               /:::::::/::::/ /// ∠才´ ̄`  ミ::::::::::::::::::::::::::∧
   .             /イ::::::/::::/ /´/∠才77777ハr=;,、ミ:::::::::::::::::::::::::::∧
              / /::::::/i::://  厶//////////}  `\:::::::::::::::::::::::::∧
               / !:::::/:::!/≧、_{////////////    \::::::::γ⌒ヽj      ともあれ、九天玄女様よ。
               |:::/ハ////    V/////////       彡\:/∠`ヽ i
               |:/ i {///    ` ー─一 ´         彡イ {  } }l       調律の如何、御意向でも
               i′ V´   ..........)                )(  ノノ
                    i`ヽ:::::::::::::ノ                    ノ ノ イ        伺って置こうか?
                  ',  `""´               ム  /:::/
                       ',  ー=ニ二ヾ 才        ト ,.イ:::/\
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             {:::::ゝ_i::::::Yノ:::::i:::::`ヽ,.i  i  | |   ',  ', ',  `、 .',
            丶、゙、`ー':::ノ´::_,ノ::::::::::/ |  |  | |   ',  ', ',   ', |
              く`ーi´:::/\:::::::::::/.| |  |  ', ',   i  i  | _i |
               ヽ,-孑´三ニニ=イ | |  ',   ', ',   |_|_/´- i ,'
                ヽ_ i| \\‐i ト |_|  ',>‐―' ̄ ̄//_二,ィ_ |/                愚問愚答。
                      { `ヾi´ヽヽ ', | 二ニ=―_/ノ //ゞ-彡 イヽ、_,へ/`ヽー 、
                  ゙ー-{ 人) ) i|斗モエテフ冫   i   ̄  ト、`ヽ、/    )/∧       其方の赴くままに。
                     ヽ_// ヽ  ¨¨ ´       |     ,'  Y ノイ _/////',
                     //、_           |     ,'  i´,'´ | (///////ヽ      妾との端緒から
               /`ヽ_,ゝ''/ ∧ /ヽ      ,__'__,ィ  /  q i  | ̄`ヽ//////`、
         ,――-、/   ', / , '  ヽ丶-丶、   イニニニ=' /(;:;:;:;`ヽヽ i __ノ////////)   そうであろうがよ。
        /´),―‐-\   ', ', ゝ、__` 、 し'ヽ、 `::ー‐ /   つ.:,/;;;;;;\|  (//////// /
        /////ヽ  ヽ  ', ー──= 、 丶 、 `≧ ― ´  (;:;:;:.,,';;;;;;;;;;;;;|;:;: ̄`ヽ//// /
       /////    ヽ  ', ____ノ)__     /´ `i.,::;:;{;;;;;;;;;;;;;/.,::;_ノ////,'
      .//////ヽ     _ヽ  '     /, '    ̄`ヽ   '    _ゝ-、;;;;;;,ノ.:,:;'(//////i
      ////////\/ ̄ヽ ヽ ヽ  //   ,―- _    /    ',;:;:;:.:,:;'////////∧
      ///////////////i_\\ ( ´     i    `ゝ‐。i     ',.:,;:;:;:,::;;;/////////
      //////////////////) \  \―---|    人_ノ、     i.,::;;;#.;:///////

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124 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 20:58:20 ID:sFIbgR5gSa


                     __,. -‐  ̄`ヽ、
                  _ /: : : : : : : : : : : : : :`⌒\
                 ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./^´´ `<:.:.:.:.:.:.:ヽ
                 /:.:/:.:.:/:/}/    ___,,ヾ:.:.:.:.:.:.';       くはっ!! 良い顔だなぁ、ビーチェ!
              ///:/ /|:,/ イ   y≦=ニ二、_}:.:.:.:.:.:.}
                |/|:.:/斗≧===>=く::::::::::::::::::}}¨ト、:/⌒'.      来た時におちょくられた借りだ。
                |八 {{::::::::::::::j´  ヽニニ二ノ L//⌒) {
                  代二ニイ、:::::_.ノ        ′Y/ ,ノ      忘れてねぇさ、人のやる事は人が
                  ヽ|    `   __ _,ヽ  ( /
                      `t彡- 一¬^フ   j/        どんなになっても、ケツを持つってな。
                    ヽ、//----/   / |
                       ,;;<x'´ `こ二   , ′|        九天玄女様ってのは、本気だがな?
                        ゙/ rト、 ___.... イ / ∧、
                 __/ ∨ `丶、     /  | \_
            ̄ ̄ ̄ ̄〈          ̄¨フ=弋,  ∧  \ >―-    
    /            ∧     ヽ     /   }   、  ヽ       \
     ̄ ̄ \        | ∧     \  ∧   |\  ∧    \        ∧




                          / ,ゝイ ⌒ヽ    \ヽ
                         イ/ / /    ヽ     i〉
                        〈 〈 /. | .| || | __l_ヽ/  i〉
                         乂| イ |___ルゞ.,_,.., イ i| ,ゝ、 i〉
                         \|__ヤ   イ0 ノ冫 /イノ〉/
                              弋 弋)  `   / l/ /           ……フン、返されてくれるわ。
                             ハ ヽ_ __   / ヘ〈
                            /ゝへ ー  /ヽ( ヘ            そうだ。ひとの世の因果応報に
                           ( (   >イヘ  》 ヘ\
                             ソ /ト ノ\ V (     > ̄lゝ      触れる気は無い。
                  _,、_  __,,,... -  ゝl:八 l  ゝ  -ー''/ /〉⌒lヽ
              _ ,,--- // /ヽュ、     イ:::(ヽi      / /l:l:::::::::l:::}     故にこそ、張維新。其方を妾は
       夂-‐ '' "´  ''''ー‐ト、リ、イ  \ヘ /:::::::::( l l   i   / /::/::::::::l::〈
                      ̄\  Y:::〈:::::::{::〉l l  / /::::/::::::::::::l:::l     選んだのだからな。
                       イ\ ゝ、::::::/::ゝヽヽ〈 /l:::::::l:::::::::::::::::/::::l
                       /   V\lヽ:::/::、´~~{ ゝ⌒:/、:::::::::/::::::}      それと、九天玄女は止せ。
                       丁\ l\l::\{::::〉ーゝ:/:::::::ヽ/::ー::√
                          { ̄゛  i  i::::::::Y:::::::γ::::::::::::::::}:i/::::::/
                       丁> ゝ i::::::::::}::::::::l:::::::::::::::::::〉:l::::/
         Y⌒~~゛゛'''--.....,,,_r マヽ__ヽ_,,,... -`-- ≠ー::l::::::::::::::/::/::/
         ,イヘヽ::::::::::::::::::::::::::(,,_ ヽ/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ/ ̄:〉:::::::):::l
        /::/:丶>::::::::::::::::::::::::l >l\::::::::::::::::::::::::::::::::::〈:::{:::::::::l:::::::::l::::l

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125 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:01:15 ID:sFIbgR5gSa

                                    ______
                                   /::::::::::::::::::::::::`ヽ
                             /〃〃:::::::::::::::::::::::::::` 、
                             /:::::::::::::::/.ィ//:/"´``ヾ`ヽ
                                i:::::::::: //// ///     ミ:::::::',
                              i|::::::, ///   / ハ      ミ:::::::',
                             从:j// 乂、、,,,,,,ノ _,,,,,、彡⌒ Y:::/
                          乂:::{_仁三三三}⌒{三三三气_}::{
                               /⌒YV三三三/  ∨三三三jY'^ヽ
                              { {⌒j `ー─</  、`ー─< } し'}    いや、そうは言ってもだな?
                              \`ハ      ヾ.:.::ノ      ハ. /
                              `ー:.      _____       //
                                /ヽ   ´ _,,  `   イリ
                               / ̄ ̄`ヽ        /ヘ:\
                      圭二二ニ=─-、_)、_____/   ∨::\、
                          /, ′/´ ̄ ̄`ヽ 八  /       ',::::::∧`:::...、、
                       _ .. ´.::/    , -―- 、__ソ /二∧      j!:::::: ∧:::::.:.:.:` . . 、
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         ┃|   「香港のペントハウスで、独り煙草吸って良い気分になってたら、黒いバロックドレス
         ┃|
               着た美女が、初めましてって、突然目の前に湧いて出て来てみろ。本国の人間から

               すりゃ、伝説上の黒い服着た仙女、九天玄女が出たと思っちまうんだよ」

               張維新と、黄金の魔女の端緒とは、そんなものであった。

               しかし、張と言う男は、仙女かと見紛う魔女のひとの世の埒外の力に目が眩まされる

               訳でも無く、無論、頼みにもする訳では無かった。

               自身の采配に都合が良いのは確かではある。が、魔女の助力なぞ無くとも助力ある

               現状を労力と自身の才覚のみで以て築き上げる事は確実の男なのだ。

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126 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:07:47 ID:sFIbgR5gSa


                               _ __r‐、
                           _r ⌒⌒   `ヽv⌒ 、
                         ノ─‐   r  ̄ ̄ ̄`ヽ ハ _
                         f        - ミ    \ }
                     __/ / ̄          \   \
                 ィ==ヘ//Y / /       ', ヽ     ヽ     |i
                f/////////∨ ' /      } l ヽ ヽ     li
                {///__////{ ,' ,'  /   / ハ } } } |l |  }
                  ゙'''- _r/////{ { '  l{l  /}   l } } } }l |l l l
                  ィi〔///////{ ∨ {lf寸 //ノ-‐v⌒`/⌒`l |l}
                {/////////∧ 丶_ノ  ̄       ,ィ´ l、_ィぃ} |ニヽ      趣味の悪い事よなぁ……。
                 \//f'辷//ハ l }___    f/ ,斗,7仄 { ノ
                    V'"ノ/////} l }、_辷__=ミヽ  〔`ー彡' V ∨
                    {///////} l人`ゝ-’'^¨            l弋
                    ``'~-v' 人ー、           ァ '  \
                      _ /‐'  `>   、__ __`_"-‐//     丶
                  / ̄         >、 `ゝ--‐ //    _  _ ` ー-   --、- 、
                 lf               ∨ >--'   ,'    /////〕iト        `ヽ\
                 {{     _ --、f´ヽ       |^ハvvvvvv{ノ⌒V\///////〕iト   マ二< ̄
                  寸ーこ_/////\_)     _ノ////////|__ /ノ \__ \/////ヽ   ̄\
                 /_r─'⌒寸//八 )‐ヤ ´ ゝ======‐'| ー、ヽ  /////\\ ///∧    ¨ヽ
                 ////Y^Y⌒////アっ_)ヽ         |   ヽl /乂/////\\'//∧
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         ┃|
         ┃|   張にとって魔女との関わりは、午睡の夢。お告げめいた泡沫の夢にして、飛沫の輝き
         ┃|
               であり……。

               だからこそだろうか、魔女の《全ての意志持つ者は、美しいものを手にする資格を有

               する》との理念からの、かの街の宝石市場が瓦解せぬ様にとの共犯めいた誘い掛け

               に、悠々としながら、どこまでも理性的な男が乗ったのは。

               いや、もしかしたらならば、それですら無い理由で乗ったのかも知れない。

               何しろ歪んだ笑みを晒す魔女を美しき仙女と捉えていると吐ける、大変悪趣味な男だ。

               享楽。それを噛み締め味わい尽くす為に、魔女と夢の中で踊っているのやも知れない。

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127 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:09:27 ID:sFIbgR5gSa

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                           BGM : https://youtu.be/uEMzWuvUX44
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                            _ /: : : : : : : : : : : : : :`⌒\
                           ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./^´´ `<:.:.:.:.:.:.:ヽ
                           /:.:/:.:.:/:/}/    ___,,ヾ:.:.:.:.:.:.';
                        ///:/ /|:,/ イ   y≦=ニ二、_}:.:.:.:.:.:.}
                          |/|:.:/斗≧===>=く::::::::::::::::::}}¨ト、:/⌒'.     それじゃあ、何時もの通り
                          |八 {{::::::::::::::j´  ヽニニ二ノ L//⌒) {
                            代二ニイ、:::::_.ノ        ′Y/ ,ノ     俺は暫く寝る。
                            ヽ|    `   __ _,ヽ  ( /
                                `t彡- 一¬^フ   j/       良い頃合いで起こしてくれ。
                              ヽ、//----/   / |
                                 ,;;<x'´ `こ二   , ′|
                                  ゙/ rト、 ___.... イ / ∧、
                           __/ ∨ `丶、     /  | \_
                      ̄ ̄ ̄ ̄〈          ̄¨フ=弋,  ∧  \ >―-    
              /            ∧     ヽ     /   }   、  ヽ       \
               ̄ ̄ \        | ∧     \  ∧   |\  ∧    \        ∧
         ┏┓
         ┗╋━━━━━━━━━━━
         ┏╋───────────
         ┃|
         ┃|   言うと、一口、二口程度カップに残る冷えたマンデリンを飲み干し、張は仕立ての
         ┃|
               良いスーツのジャケットとネクタイを魔女に任せると、二丁の愛銃を収めたダブル

               バックサイドホルスターを枕に見立てたカウチソファのクッションに乗せ、自身の

               頭をも沈ませ、横臥してしまった。

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128 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:12:09 ID:sFIbgR5gSa


                _《i:i:i:Y⌒7/廴ノ ⌒Y_ヽ
               /i:i:八i:i:i:i:/__         Y⌒7
                rくi:i:i:i: >''"         ⌒“''*、 ヽノヽ
               }i:i:i:/ /   /  ヽ    \ \ ∨ Y
             ノi:.   /        V/    ヽ   VY〉
             《i:/ / ′    i|          |  i| V乂〉ノ
             八 /.:|i     | i|    |    }  i| |  》Y
                |i /{i     | i|    }     八 }  / /
              八{八__ 人 i|    /   /  /  ′/)/
                 ノハx,,,,,_\  /──《__/  /^7/
                   /  癶 ぅソヽ    xrt===ァ// ノ
               / 八.∧  ̄      ゞ イ / (/
              //        、        〈  |
             ( (     \  __      / { {        ……サングラスを取れ。
              ) )      })h、  `  ィ(  | |
              /       リ\   ´ /    |        折角の形が崩れるぞ。
             r==厂ヽ_ /i:i:i:i: ≧s。.     八リ
           〈/ニニニヽ廴ノ `~、、i:i:i:i:{   )/
          //ニニニニ∧圦       ̄八   (
        /ニ/ニニニニニ∧ノ',  ``~、 \廴
       /ニ /ニニニニニニ∧∧         \〉 ⌒ヽ
      《ニニ 《ニニニニニニニ》八       。s≦.\ニ ∨
      八ニニ∨ニニニニニニ/ニW乂≧s。  V    〉》⌒',
      ニ\ニ \ニニニニ ノニニ/廴ノ乂⌒ \ /《)〉  `、
     八ニニ》ニ/ニニニニ∨/ニ.:ニニニニニ|]ニ=- -=≦⌒ ))
       \./ニ/ニニニニニ Vニニ{ニニニニニ|ニ⌒≧s。〉¨´⌒}h、
        /ニ/ニニニニニニ Vニ.|ニニニニニ|ニニニニ.\ニニニ ヽ





               /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : /: : : :/:::.:/ ヾ:.:.::./:.:.\
               ,': : : : : : : : : : , -‐ 、:.:.:./ィ/:.::./:.:.:./    }:.:./::.:.:.:.:.i
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               ',:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::j、 乂ノ              {///  ',
                i:.:.:.:.:.::.:.:,<ヽ_|               `ー′  V
        .         }:.:.:.,<    |                 / _   〉      ああ、……外してくれるか。
               /¨¨       |            r_、_    r''¨
        .     _/        i {             \ ニ=‐-′
           /  >,.        i \           ̄)
          /      >,.    i   \             /
        /          >,  i    >,.      /
        \             >,     _>, _/
          \              >, /
           \                  >,
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129 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:15:11 ID:sFIbgR5gSa




                                       _,,.、-r─ァ__
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                                    ノ   |.   |   /f }
                                /   { ゙ヽ |  j   !
                                }     \ } /  {
                  ノ三三三≧i        |      `> ′ /
                  ∨、三三三{三エ{三≧|            /
                 .  ∨}三三三!E三}三三|         j
                    ∨{二ニfニ寸三三エ|          /
                 三トzt∨二∧{ニh。ニE三|         /__ノ三ヽ
                 E三三∨-{二!二j={!f三{      /三三>/
                 二=}f三{二二|二j=}∧,/      /三汐´.、'゙
                 {ニニトミユ{二二}=二}二〉     /三彑-,:'゙
                 ∨-{二={二二二ニ}ニ{>x、,,/7ニ/彡イ、'゙
                 =∨,{ニ=ト、二二二ニ|ニニニ/二{二=/'゙
                 ヽニニ}ニニ{ニ寸二二=jニニ/二ニニ/ニ\
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         ┃|
         ┃|   月光の白さの細(ほそ)やかな手指が、張のサングラス、そのテンプルに触れ、摘まもうと
         ┃|
               したが。捕らえられた。

               なよらかな手指を捕らえている腕、シャツの袖口には、闇夜を切り裂かんばかりに煌々と

               輝く黄金の一つ星が、カフスボタンに姿を変えて在る。

               ブラックスターサファイア。路南浦を擁する国から産出される黄金十二条のスター効果を

               見せる最上級品を、魔女が張維新へと見立て、贈った装飾品だった。

               捕らえられたままの指が、テンプルを摘まみ、ゆっくりとサングラスは外されて行く。

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130 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:18:42 ID:sFIbgR5gSa



          :::Y::)人::::::ヽ:::::::ノ:/: : :l: : : : : : : : : :l: : : :l: : ヘ:ヘ
          :ノ:Y:::::ノ::::::::::Y´: ,': : : |: : : : : : : : :..:|: : : :|: : : ',∧
          :::::ノ:/::::::::::::/─、: : : :|: : : : : : : : :.::|: : : :|: : : :Y:ク
          >'"::::Y::::::::::/  ./: : : :.|: : : : : : : : : :||: : : |: : _|:.|: ノ
          ::::::::ノ::::::::ノ、___ノ: : : :.:.|: : : : : : : _| l‐‐/ ̄|:.|:彡
          <::_ノ-イ:、: :`: :|ィ`:`:─<´      /-- _,|:|ノ|
           .    Y\: : :|: Y____‐__.-、`ヽ   '彡モタノ .|{ |       ……離せとは言わぬ。
               |: ∨:/`Y| `人ヲクノ`      ` ´  ハイ
                 \ヘ|   ハ  ` ´           | ',',       何度見ても飽きぬ、その可愛い
                 ヽヽ//ヽ       、 .,      / .',',
                   //\ヘ     __   ィ.   /   .',',      顔に免じてやろうではないか。
                    //  `ヘ\     -‐  ./   ,ノ
                  ヾ、  マ }_ >      //   /
                     )  .〉-ソフヽ_r‐、_´__/> (
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                      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
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          `)\/_  \ /      ` <__::::_ノ\     __
          <__/´___,ハ   \ ` ‐‐---- -、       ` ─< \






              {                           |_/
     . ̄ ̄ \......... 人          ⌒\丶、  {::::...... |
     .     \...........\              \ \ :::::r' ¨´     ったく……、人が嫌だって言ってる事を
             \...........\             `ー.::イ
              \...........\         \__/          何度も、何度も。
               \...........\         /
                 \.......... \      /             詫びに、今すぐ纏めている髪を解(ほど)くか
     ',            /⌒ |.......... /\__ノ\
     ∧         /    |\/ ̄ ̄ ̄\  人           その良い声で、何か歌でも口遊んでくれ……。
     /∧     /ニニ=- _| /      / ̄ ̄\\
     //∧  /\   -ニニニ- _  /{  {.    \\


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131 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:22:15 ID:sFIbgR5gSa




    {__{  r‐==ミヽ }    } }、 \    <                        \                  |
    {  :{  { 「_j } }/ヽ  / } \  < ̄ ̄ ヽ                 __ア     「r==  、      i
    廴__:{\_`¨¨´/  ノ、/`ヽ} =-\   `ヽ                    ∠二 {、        )     )__丿}
     〉 ト、 ⌒ ´   丿 )   ノニ=--辷ミ                      ´   こ_) ニニ  彡   ー―― ´
     \ \ー――く__/ //,  ̄    ` -=ニニ =-  、            ̄{   ̄ ̄
       )___}、____丿一‐=ニ {   ヽ            \}
       {  { ̄ ̄\  ニ=-- \ ′ノ(           \              )
       、__ 、    \  ‐‐=ニ、    {__ つ   .       } )              /
        丁 \丶__  }  ニ=--,{>  ____ .. :: :: :. .    /             /
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             ̄\     ニ=--!: : : : : :  :  .  / /         /
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                    ∧_______>´_  人 }\   _   /        `   }
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         ┃|
         ┃|   程なくして……、張の要求は叶えられた。
         ┃|
               紅薔薇の花弁が零れるかの魔女の唇から、小さく、カンツォーネが唱される。

               八面玲瓏と見る者の視界を輝きで埋め尽くす、黄金の宝飾店内装にカンツォーネは

               反響し、耳を快く擽り行く。

               捕らえられたままの手は、白妙の手背からゆるゆると絡められるをも許し……。

               華奢な指が、内心では憧れている真っ直ぐで艶やかな黒髪を小さく梳(くしけず)る。

               微かなカンツォーネと、髪を愛撫される感触。それを名残惜しんだか、少々の時を

               置いて後、静かな寝息が魔女に聞こえて来たのである……。

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132 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:23:54 ID:sFIbgR5gSa


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133 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:26:15 ID:sFIbgR5gSa


         ヽ三三三三二:
           V三三三二'.
           ヽ三三三二!                   __________
             三三三三                  /三三三三三三
             '.三三三'.              /三/三三三三三
              '.三三 ∧       /¨ユ_  .′.γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                V三三∧  r‐、  .′ ´  /⌒ !ニ!⌒
                V三三三:、!  \!/   ./ /ニ!ニ!/
                V三三三≧   .′  ./ /ニフハ          そら、ネクタイだ。
                _ヽ、三.彡´   /   ./ /三三′
             γ´        イ   イ .イ三三′           「うん? あぁ……」
            __/                / / ̄ ̄
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         ,斗匕     丶::::::::::/:::‘,      `丶、l::::ィ⌒l< `丶、
       ノヽ、   _  -‐  ¨´   :::‘,         イノ/ ::::::{:::. `丶、 `丶、
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      i      ヽ       ..    ヽ、  /::ヽ::.:/  ト:::!       `丶/l
      |       ヘ     .::::     \/ 〉::У   l トl   ヽ      i l
      {          ‘,    :::::          ノ::       ヽ     ヘ    l l        まぁだ寝惚けてんじゃねぇのか?
      〉   ヽ:::::.   ‘,    ::::          i:         ',     ‘,   ,  !
 .    /::!    ';::::.   ヽ    ::         ∧:.         i       ',:. ′ l        「良ぉーく、寝られたからな……」
 .    , ::!   ヘ:::::.    \  l         ‘,:.        l       ',:/   ′
     ′:::',     ',::::.     ヽ !            ‘,/     l        i::: ∧      ライムソーダを用意してある。
    i   :: i     ‘;::::::::.      l           /                 |::: /: ‘,
    |  :::ヽ    ヽ:::::::::.    .:         /       .:′     }:::::::  ‘,     「願ったり叶ったりだ。頂くよ」
    |  ::::::.';:::..    \:::::.   .:                 .:/        l:::::::   }
     ∨:. ::::::::::::::::.    ヽ::: .:::     ....         .::/:.l       .:.:,::::::::/.. ′
     ヘ:::::.::::::::::::::::::.     〈:::::. ...:::::/        ..:::/:.:.:l       :::::′::/::: i
   f´< ヽ::::::::::::_:::::.-――――ァ:: /       ...::::イ:.:.:. l:.  .::::::::/::::/::::: ト、
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 .  ヽ   .-―ァ─-‐:::¨´ -‐  ´      ..:::::::/::::::::.:.:.:.: l:::::::::::: /:::::::::::___::::  i
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134 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:29:27 ID:sFIbgR5gSa




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           ヽ=.--7 /           ハ::::::::::::::: //:://::::;イ::|::/
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            /イ'|                //:::::::/´  _,ノ  //
          /'  | |            /:::::::::/   /:{//≧/イ、  :| } 厶斗
             |/     ,イ,イ     {イ:/  ∠:从―――- 、 _  -―
                  レレ /      /   .f、,f三三三三三ヾ r¬ f三三
                   /'      /    ∧{ 三三三三三 ヲ-― 、三三
                          ノ   厶斗七⌒∨三三/{   }\三    さぁて……、底抜けの贅沢もした。
                     /   ´   __/_∨≧´ ̄ i
                        i       ̄      }   { |  } }      俺は、エキサイティングな楽しみに
                        :ィ}       ―――‐〈    `ヽ ノ '
        .        _,. ≦ニニ:′             :} `ヾ三三三三≠    戻るとしよう。
        .   _,. ≦ニニニニニ′        ≠一 ./\     ー
        ニニ|ニニニニニニ {           f   ノ  :\
        ニニ{ニニニニ ___」__       ├≦{     ≧ ー― ≦
        ニニ|ニ____/__   \     ノ:ニ∧      >= <
        ニニ∨ニニニニニニ≧、  ヽ ,. ィ ニニニ∧     /     ヽ
        ニニ/ニニニニニニニニ\ ∨ニ7:ニニニ ∧   /      :}
        ニ=/ニニニニニニニニニニ\ヽ={:ニニニニ∧ ∧       /
        ニ/ニニニニニニニニニニニ \}|ニニニニニ∨ ヽ___/
        =/ニニニニニニニニニニニニニ}:ニニニニニ∧   }    V

         ┏┓
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         ┃|
         ┃|   無糖のライムソーダを呷り、サングラスを掛け直した男。路南浦を擁する国の三合会
         ┃|
               支部の長である男は、そう魔女に呟くと、纏う闇夜の粋を辺りを払う様に匂わせた。

               魔女の鑑別が済まされた原石とルースの入った黒いケースを掴み、宝飾店の出入口

               厳然なる観音開き扉の前に立った張は。

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135 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:31:29 ID:sFIbgR5gSa



                            -‐.... ̄ ̄...ヽ__
                       _ /:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.::.:.:.\
                      ノ:.:.:.:.:.::.:./}:.:./⌒~¨¨¨ヽ:.:.:.::.ヽ
                          /:.:.:.:.:.:从{ 从:{, -‐=ニミ、 ',.:.:..::.:i      で、だ。ビーチェ、俺のジタンを一箱
                   /ィ:.:.:.:./_,ノ  }!   _____}:.:.:.::.:|
                , - 、      |:.:.:./≦ ___r=ミ///////}¨込-‐、     やるから、その煙管を呑ませてくれ。
             i   ',     |/{:{,イ//////  V/////ノ V/~} }
             |   i      { }V/////     ̄ ̄    〉y/
         /⌒} }   |      i |  ̄ ̄ ヽ `    _   ノ ノ:\        __
    ___∠__|_/___.|      ヽ   r _ -‐ ─''7   }‐{: : : :∨_   -‐: : : : : : : :¨''
   {}___, -‐''¨ ̄}__|.{       /ヽ   \____ ,ノ   ノ V: : : :∨.:.:.:.:.:: : : : : : : : : : :ヽ: : :
       /  _,. ィ    ヽ___/: : : :.\   ─    /  /}: : : : :.∨.:.:.:.:.:: : : : : : : : : : }: : :
  .   /  /         i: : : : / : : ::.:.:.:.:.:/ヽ     /  ノ /: : : : : : ∨.:.:.:.:.:: : : : : : : : :.| : : : :
     ヽ  、 ______|_/_: : : ::.:.:.:.:.:/ヽ_ `ー─'' ¨__,. < /: : : /⌒ヽV.:.:.:.:.:: : : : : : : : }: : : :
      }              }: : : ::.:.:.:./   >,__rニ_    |: : :./  |.:.:.:.:.\: : : : : : :i : : :/ : : :
      {   , -‐──────': : : ::.:.:./ヽ    ///∧   ./.l: :./ i |.:.:.:.:..:.:ヽ: : : : :.i : :/ : : : :
     /:.ヽ            __,.ノヽ: : : :/  \  .////  ', ./ |:./. i  |.:.:.:.:.:.:: : : : : : : :i :/ : : : :.:.
     /: :/}   __,..-''  ̄{: : : /  〉: : |    \/ 〉〈   ∨ |∧. i  !.:.:.:.:: : : : : : : : :.i | : : :.:.:.:.:.
  .  /: : :| | \         〉: :/  /: : :.|      //,ハ     |: :∧ ! |.:.:.: : : : : : : : : : i.| : :.:.:.:.:...
   /: : : :| |         /: :./  /: : : :|      ////ハ     |: : :∧ |: : : : : : : : : : : : :|.:.:.:.:...:.:.:.:..




     :::Y::)人::::::ヽ:::::::ノ:/: : :l: : : : : : : : : :l: : : :l: : ヘ:ヘ
     :ノ:Y:::::ノ::::::::::Y´: ,': : : |: : : : : : : : :..:|: : : :|: : : ',∧
     :::::ノ:/::::::::::::/─、: : : :|: : : : : : : : :.::|: : : :|: : : :Y:ク
     >'"::::Y::::::::::/  ./: : : :.|: : : : : : : : : :||: : : |: : _|:.|: ノ
     ::::::::ノ::::::::ノ、___ノ: : : :.:.|: : : : : : : _| l‐‐/ ̄|:.|:彡
     <::_ノ-イ:、: :`: :|ィ`:`:─<´      /-- _,|:|ノ|        ……随分と流暢な寝言を口走るものだなぁ。
      .    Y\: : :|: Y____‐__.-、`ヽ   '彡モタノ .|{ |
          |: ∨:/`Y| `人ヲクノ`      ` ´  ハイ       張維新。妾は何遍、そのジタン・カポラルが
            \ヘ|   ハ  ` ´           | ',',
            ヽヽ//ヽ       、 .,      / .',',      口に合わんと言ったか?
              //\ヘ     __   ィ.   /   .',',
               //  `ヘ\     -‐  ./   ,ノ
             ヾ、  マ }_ >      //   /
                )  .〉-ソフヽ_r‐、_´__/> (                          _ _‐ ''"
               (  |::::::::`::>-イ、<ノ<_/                   ( ̄ ̄ヘ, --‐ >'´ , .ノ ̄
                 }::::::::::::::::::::::::::::::::::::{                 _ ∠-==、  ヘ'"/ /
                 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::|           __, _‐'ニ´イ`\  Y〉  .〉   /
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     `)\/_  \ /      ` <__::::_ノ\     __        |_ノ   ノ }、__/ /
     <__/´___,ハ   \ ` ‐‐---- -、       ` ─< \イ´\ヘ.  /   /  ヘ,,ィ=Y


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136 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:33:47 ID:sFIbgR5gSa


                               __
                         _ r―<~"''~、\
                         /'  /    \ \\\
                     _/ /  //{   |   \   マ L
                      〈:i:i/ /i| /{ 八  ∧ |  〉   ∧ {
                    _/ / L/⌒¨¨ ̄/⌒\{  |/  V
                   ∨ / i| |       __ハ Y   /
                   人/:i| |/⌒    弋シ⌒| i|⌒〈
                     \:i| |弋シ⌒        | l| 〈 ノ      まぁ、良い。
                       | | :.     、     | |L /
                       | |::∧    , 、   /| √       其方のジタンは要らぬがな。
                       | |⌒ ゝ    '/,     /
                       | |    > _'// /rv 〉
                       _ {リ㍉     |__(ハ //'/     __
                 / -=二 ∨ ∧     |//}/ /'/ // 〉_/二\_
                /二二l ̄ /し⌒ト--´ ̄/ 〈ヒ) / /〉^〈二二二二二
                 二二:/ /二'⌒>)ト   {   〈/ //  \/⌒\二
                |二ニ:/ /ニニ〈⌒ヽ|   }   ' / 〉 /⌒〉二二二二
               /=ニ/ /ニ二二V^八   ,     / }っ  〈二二二二二
                |ニ / /二二二 〈⌒7 \/     / 人,ン  〉 \二二二
               人 〈 〈二二二二 | 〈  ,'   / /   ̄\ 二 \二二
                \  '/ニニ二二| ハ /  / YY=-   /\二 〉 二
                 \ '/二二二/Z/  /  八        {二二//
                  ///二二二ニ∧  /-< |\     /二二\
                 |ニ//二二二ニ/  \   \!二\_ノ 二二二 〉
                 |=| |ニニニニ/   人  /{二二二{ 二二二 /
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         ┃|
         ┃|   「この煙管に詰められている物も、煙草では無いと知っておろうによ」
         ┃|
               と、魔女は繊細な透かし彫りが施された、銀色に光る煙管を手渡す。

               魔女から煙管を受け取ると、何の衒(てら)いも無く、張は冷んやりとなった吸い口を

               唇に挟み、紙巻き煙草と異なる吸い方、僅かずつ啜る様に煙を口内へ誘うと。

               ひとの世では有り得ない程の澄んだ伽羅の香りが、体内に吹き抜け快く廻るかの

               感覚を一時(いっとき)、味わい——……。

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137 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:35:27 ID:sFIbgR5gSa


                      _ -===- 、
                  _ -=ニ二三三三Y云ミヽ
                  /ニニ二三彡彡介ミミミミヘ
                    /=ニ二/// .//:"´`ヾミミミハ
                /=ニ二///  ///    ミミミリ
                  {≠// _乂     ,x≦ニニミ ミミj
                Ⅵ{ ,才三三}⌒ {三三三 }}.j`Y}
                   乂i仁 三三}  :. `ー─‐''¨ .)t/      じゃあ、また。
                 {ハ.`ー‐‐′ :.:...      し′
                     弋、.    ^ー^′    リ!
                       `、   ... ー:::--     .:j、
                     \   `"´    / ハ
                      \ ___,, ´ /二=ヽ、__
                       _ハ__>   , 仁二二=!二 \
                 _ -=ニ7/⌒ヽ   /二二ニニ|二二ニヽ
               ,,=ニ二/:i:i`ヽ人ヘ/二二二二二|=/ ̄ ̄`ヽ
                 /二二ニ/i:i:i:i:Y   /二ニニ\三三/二二二二ハ
             /二二/:i:i:i:i:i:ノ  /二二ヽニニ>=//,イ二二二二ニ
               /二二 乂:i:i:i:i:i:i:ヽ/二二二ニニ/二{//二二二二二 |
              ,イニニニ二∧:i:i:i:i:i/二二二ニ/二二レ仁二二二二二ニ|
           /=i/二二ニ/八\:i/二ニニ/二二二Ⅳ二二二ニニニニl
           , 仁∧二二∧ニ∧/ニニニ/二二二二ノ二二二二二ニニ !
         /二∧二二∧ニ@/ニニ/二二二二/二二二二ニニニニ '
       ,イ =ニ∧二二∧二ニ/ニニ/二二二二二i二二二二二二二二 ,'
      ,厶=二∧二二∧二ニ/ニ/二二二ニニニ |二二二二二ニニニ/




            」 ー  / , く:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.{:.:.:.:.:/:.:.:. |:.:.:.|:.}:.:. i:.:.ハ
              { `ー-‐< /  〉:.:/:. |.:.:.: |.:.:.:.:i:.:.:.:.:.|:.:.:.|.:.:.:.:.|:.:.:.::i
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              /:.:.{:.:.:.:.{ i |:.{    弋_ツ′     rt=ミ、 ,′
              \:.∨:.::, 八:ヘ            弋_ツ /
                i:.:.\:.:.ヽ_.i\ヽ           {   ,ハ
               └-=:_∧:.八 .|:|        ノ   八:\       あぁ、また。
                    \l \:j     r = - ァ  /  .ヽ:ハ
                     _|_彡\   `¨こ´ . /      i:.:|
                     くL.__    、     /       |:.:}
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         ___           /ニニニニニニニ≧r ´        //
      r<    `   、__   _〈ニニニニニニニニニニ|       {:(
      ニニフ  ̄     | i ´   `¨ ー-=ニニニニj_        `
      ニく   __ -‐= .| |           ̄ ̄  >: _    _
      ニニ\jニヽ/  | |          __      `¨ くハ T  ̄ ¨}_
      ニニニニ〔 ̄ -‐ \\        /   \    ___  } |   / ∨\
      ニニニニニ>ハ  / \ >‐-   _ {     ヽ__/  ∨ j       Lニ\
      ニニニニニニニ弋__ //¨T =‐- 」      }い{    }/       r'ニニニヽ
      ニニニニニニニニニニラ く   } /   人     /∧    ノ\     ノニニニニハ


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138 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:40:54 ID:sFIbgR5gSa


                                                     ______
                                                 /::::::::::::::::::::`:.:...、
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                                                 _/´"´"'′   i          i
                                                ,ィ二 ニ.. - 、  l    _  、__ゝ
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          ┃|
          ┃|   素っ気無い程の短い挨拶の言葉を交わすと、バロック様式の重々しい観音開き扉を
          ┃|
                開け放てば、既に夜。ネオンが灯った紛雑に住民が行き交う街へと、ブラックスター

                サファイアに比肩する、侵されざる闇を燻(くゆ)らせ、纏う男が踏み出す。

                熱帯の雨が、路南浦の地を叩き始めていた。

                魔女が引き留める事は、無かった。

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139 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:43:12 ID:sFIbgR5gSa




                        | | :.     、     | |L /
                        | |::∧    , 、   /| √
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                        _ {リ㍉     |__(ハ //'/     __
                  / -=二 ∨ ∧     |//}/ /'/ // 〉_/二\_
                 /二二l ̄ /し⌒ト--´ ̄/ 〈ヒ) / /〉^〈二二二二二
                  二二:/ /二'⌒>)ト   {   〈/ //  \/⌒\二
                 |二ニ:/ /ニニ〈⌒ヽ|   }   ' / 〉 /⌒〉二二二二
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                人 〈 〈二二二二 | 〈  ,'   / /   ̄\ 二 \二二
                 \  '/ニニ二二| ハ /  / YY=-   /\二 〉 二
                  \ '/二二二/Z/  /  八        {二二//
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         ┃|
         ┃|   何の感慨も無い様な視線を、張維新が開け放って出て行った観音開き扉へと
         ┃|
               投げる魔女。そのままの表情で、味わわれた銀色に冷たい煙管の吸い口に

               紅唇を付け、僅かずつ吸って行く。

               ゆっくりと踵を返し、店内を一瞥すると。自身も伽羅の香りに黙然とし、路南浦に

               降る闇の雨に思いを馳せるのであった。

                                                      fine.

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140 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:45:19 ID:sFIbgR5gSa
……蛇足を投下します。ご注意をば。

141 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:46:53 ID:sFIbgR5gSa

    ・  ━  ━━ ━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━ ━━  ━  ・

          …  ─ ── ─── ──────────────── ─── ──  ─…
                    …… … ────────────── … ……
                              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                              ────────
                                ここより蛇足
                              ────────

                             _________
                    …… … ────────────── … ……
          …  ─ ── ─── ──────────────── ─── ──  ─…

    ・  ━  ━━ ━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━ ━━  ━  ・
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142 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:47:37 ID:sFIbgR5gSa



                                                       ,.;'"~⌒'"~
                      | | :.     、     | |L /                _ _.,_,,('"     (⌒ヾ
                      | |::∧    , 、   /| √    ……。        ^'ノ⌒ヽ,,._ソ''"
                      | |⌒ ゝ    '/,     /              _ _,.,_,人⌒`'"~
                      | |    > _'// /rv 〉               ~^`"'ー- 'ヘ.,_,.ソ'ヽ(⌒"'
                      _ {リ㍉     |__(ハ //'/     __
                / -=二 ∨ ∧     |//}/ /'/ // 〉_/二\_
               /二二l ̄ /し⌒ト--´ ̄/ 〈ヒ) / /〉^〈二二二二二
                二二:/ /二'⌒>)ト   {   〈/ //  \/⌒\二
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              /=ニ/ /ニ二二V^八   ,     / }っ  〈二二二二二
               |ニ / /二二二 〈⌒7 \/     / 人,ン  〉 \二二二
              人 〈 〈二二二二 | 〈  ,'   / /   ̄\ 二 \二二
               \  '/ニニ二二| ハ /  / YY=-   /\二 〉 二
                \ '/二二二/Z/  /  八        {二二//


三三三三三三三三三三三三三ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ===========───


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                      ノ─‐   r  ̄ ̄ ̄`ヽ ハ _
                      f        - ミ    \ }
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              ィ==ヘ//Y / /       ', ヽ     ヽ     |i
             f/////////∨ ' /      } l ヽ ヽ     li
             {///__////{ ,' ,'  /   / ハ } } } |l |  }      ……だから。
               ゙'''- _r/////{ { '  l{l  /}   l } } } }l |l l l
               ィi〔///////{ ∨ {lf寸 //ノ-‐v⌒`/⌒`l |l}      猛毒とだけ写るから、奥向こうで
             {/////////∧ 丶_ノ  ̄       ,ィ´ l、_ィぃ} |ニヽ
              \//f'辷//ハ l }___    f/ ,斗,7仄 { ノ     大人しくしておれと、言うたであろう?
                 V'"ノ/////} l }、_辷__=ミヽ  〔`ー彡' V ∨
                 {///////} l人`ゝ-’'^¨            l弋
                 ``'~-v' 人ー、           ァ '  \
                   _ /‐'  `>   、__ __`_"-‐//     丶
               / ̄         >、 `ゝ--‐ //    _  _ ` ー-   --、- 、
              lf               ∨ >--'   ,'    /////〕iト        `ヽ\
              {{     _ --、f´ヽ       |^ハvvvvvv{ノ⌒V\///////〕iト   マ二< ̄
               寸ーこ_/////\_)     _ノ////////|__ /ノ \__ \/////ヽ   ̄\
              /_r─'⌒寸//八 )‐ヤ ´ ゝ======‐'| ー、ヽ  /////\\ ///∧    ¨ヽ
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143 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:49:17 ID:sFIbgR5gSa



      _ ,、[| [|  .,、__  _
     / ハヽ、  //、7/ .//  、    「.|  .「.|
    </  \> .´ .// //__」ヘ   _ .l」  l」
           /'   ‘ー―‐ V ツ’ ロ  .ロ



                     ___        アバババッ!!
                  ,  ´: : : : : : : : : :丶、
                 /: : : : l`: : : : : : : : : : : :、
                /: : : : : : : !: : : : : : : : : : : i: :ヽ
              /: : : : : : : i: :|、: : : : : : : : : : !: : l
              ,: :i: : : : : リ_|i_人: :.i、: :i、: : : :i: : :j    あ、うえ、ああああっ! だってだってだってだって!!
              l: :l!: : : : :|  !  `、| `、| リ`、:|: : :ト
              !: :l| : : : ::| (_)       (_) |: : |    だって!! 店のっおきゃっ客様ぁ、にっ、したって!!
              、: i| : : : ::|。゚ ///// o゚!: : !
              `、:| : : : ::|o   ./ ̄ ̄l   。!: : !    遅いなって、遅いなって、遅いなってぇぇぇっ!!
               !:| : :i : :|_。   !___j  ィ: : :,'
                W人: :|::rケ、=‐---r-ァ'′!从    思って、思って、思ってぇぇぇーーーっ!!
                  `.!" , '`i二=|!.コ、
       アバババッ!!      /  `、::::A*::::j`、
                    /  、 `"il`l! |  ヽ




             〉:.ー'.::ノ.:/  . : :/ / .:/ :l | :l .:| :.ヽ
            「ヽ.:</厂\: :/ / .:/ :| :| :l .:| : : ',
            \二仄\_ノ/ | :| :|  :l .:| :l .:| : : .l
             ノ .:| |l Ⅵ l 厂≧ 、  ̄`  ┴ヘ ノ
             丶.::| |/⌒| |  「「じヘ `  ,. =≦厂       扉を乱暴に開け閉めするでないわッ!
             〈人八  | ヽ  `      ヘじリイ
              L、ヽ>ヘ .:        l   八         あれに其方の視線を気取られぬ様に細工を
                └ヘ.;∧|    _ ´  / ヽ _
                  イ_丿\ └ニ'′/   ⌒〉        したが、客のプライバシーと言うものがあろう。
                 〈爪`ー⌒ヽ __,        /
         , ─ 、     ノ//////厂      /        以後、慎め!
        仄〉─  >┬ '⌒ ー──ヘ
      //〈 , ─-〈 │  ̄ ̄ 丶    > 、_
     /////八    八 |              厂 Y⌒>¬、
    /////////>   ヽ\    厂 `ヽ ,、/⌒ヽ|  ⌒)/ハ
    //l |///////⌒>/\\_人: : : :=O=: : : : ノ   ///∧


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144 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:51:01 ID:sFIbgR5gSa



        (ヽ       . : : ¨: ̄:¨: . . . .、
      (ヽ    /: : : : : : : : : : : : : : : :.\
           .:': :i: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
          /: : : ',: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .
         . : : :.:.:.i:.: : : : : \: : : : : : : : : : : : :.
          i: : : : : |从: : |: : :、 、__ : |: |: :i|: : : :|i
          |: : : :.:.x=ミ\| \:.x==ミ|: |: :i|: : : :|i      あう、それは、ゴメンなさい……。
          |: : : : il r::i ヽ   r:::||: : :ハ: : :从
          lハ: : :从 ゞ' 、    `´ |: : i_ノ: :/       あの、でも、その、さっきのヒトとさっ
          ∨: :i /:./:.    /:./:.八:/_彡'__
      .      ∨个  _⊂ つ イ ://         ベアト、か、かかか、間接……っ!
      .     ∨!ヽ八≧r=≦ / ノノ     i
            i ヽ  \ 〕〔彡 ´   i     |
            |=- ヽ    ̄     |-==- _|\




                      __,、.. ./: : : : : : `ヽ、
                     /Y::)/: : : : : : : : : : :ヽ:\
                    /:∨::/: : : : |: : ,|----_-}: : |〉
                    ∨::〕}..: : :__ィ´  /,-- リ: .|〉
                     `イ:〉:〈 ,,ィミ`   イニ'' リイ)〉
                      Yヽl イ-''  丶    |/ソ、
                       ゝ)、     __,   ノr'./           ふゥン……。
                       /`Y、  ` -‐  /r''.(
                        (__ ゝ>、   /|'  `          ネクタイを締めて居らぬ
                           )   ,ヘ. ̄_,, ィ:| __r‐、__
                            | ̄::::::::::::/ハソ':/::::::Y.、      男の色香に当てられた
                             丿-ィ二イ、)/::::{::::::::::}:::\
                     _,,ハYヽ='>'":::/:::::::::\:::::ヽ__:::}:::::::::)     かと思ったが。そこ、か。
                    /<´`::`:::''"::::::::::::{::::::::::::::::::Y::::/::::ヽ::/
                  /:::::::::::::::::::i:::::::::::::::::{::::::::::::::::::::}:::{:::::::::}:ヘ
                 Y:::{::::::::::::::::::::{:::::::::::::::::}::::::::::::::::::/::::}:::::::ノ::::}
               /   ∨::::::::::::::::::::::、:::::::::::::::{:::::::::::::/-:、{:::::/:/
             /___.  ヽ::::::::::::::::::,>-::--:、:〉::::::::イ/:::::::::::/´
           /二   `ヽ|'<>-'´:::::{::::::::::::::/:::::::::::/:::::::::::/
          イノ / __,,、-- |__ ``ヽ、:--、:::::::::::{::::::::::/:::::::::::/
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   赱/          / ./   __,, }}:::::::::::::::::::::::::::/|


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145 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:52:30 ID:sFIbgR5gSa


                        i 7 i 7
                        レ  レ
              -‐……‐-ミ    O  O
         /: : : : : : : : : : : : : :\
    .     /: : : : :./: : {: : : : ヽ: : : : ヽ
       .' : : : : : i: : ∧: : i、: ',: : !: : ',
        i: : :.i: : :.|/  \| \ハ:.ハ: i:.i    ……ネクタイを、締めて、無い
        |: : :.|: : :.|  ○     ○ jイi:|
       /ヘ: : 、: : |    、_,、_,   ノ:ハ|    締めて、な、い、ぃぃ……?
        ∨レ>、|≧=‐- -‐=≦∨
           /  {f⌒()⌒i}`ヽ




                            __
                      _ r―<~"''~、\
                      /'  /    \ \\\
                  _/ /  //{   |   \   マ L
                   〈:i:i/ /i| /{ 八  ∧ |  〉   ∧ {
                 _/ / L/⌒¨¨ ̄/⌒\{  |/  V
                ∨ / i| |       __ハ Y   /
                人/:i| |/⌒    弋シ⌒| i|⌒〈
                  \:i| |弋シ⌒        | l| 〈 ノ
                    | | :.     、     | |L /       ……。
                    | |::∧    , 、   /| √
                    | |⌒ ゝ    '/,     /
                    | |    > _'// /rv 〉
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              / -=二 ∨ ∧     |//}/ /'/ // 〉_/二\_
             /二二l ̄ /し⌒ト--´ ̄/ 〈ヒ) / /〉^〈二二二二二
              二二:/ /二'⌒>)ト   {   〈/ //  \/⌒\二
             |二ニ:/ /ニニ〈⌒ヽ|   }   ' / 〉 /⌒〉二二二二
            /=ニ/ /ニ二二V^八   ,     / }っ  〈二二二二二
             |ニ / /二二二 〈⌒7 \/     / 人,ン  〉 \二二二
            人 〈 〈二二二二 | 〈  ,'   / /   ̄\ 二 \二二
             \  '/ニニ二二| ハ /  / YY=-   /\二 〉 二
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146 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:54:07 ID:sFIbgR5gSa



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                !:| : :i : :|_。   !___j  ィ: : :,'     >                            ..<
                 W人: :|::rケ、=‐---r-ァ'′!从     /Y⌒YW⌒YY⌒YW⌒YY⌒YW⌒YY⌒YW⌒Y\
                   `.!" , '`i二=|!.コ、
                    /  `、::::A*::::j`、
                     /  、 `"il`l! |  ヽ

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         ┏╋───────────
         ┃|
         ┃|   宝飾店の奥に繋がる開き扉から、とっても情操教育に悪いモノを覗き見てしまった
         ┃|
               妄想力豊かなオッタヴィアちゃんが落ち着くまで、結構な時間が掛かりましたとさ。

                                                     fine.
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147 : ◆l3wbotqtLQ (アウアウ a7d6-2286) : 2019/04/13(土) 21:59:12 ID:sFIbgR5gSa



                  _  _ r=-r=-、 __
                _,rf=-, ‐´  ハ  ̄`ヾ-t_
                〈_rf /          \|
                  ゝ y            ハ
                 '     /
                   |     _/ { |    i     !
                   | 川_/ |` | |  j 川 j  リ
                   fヽ! .|テぅぇ乂 ノ/ /〃 /j        ……今回の投下は以上である。
                     〉|l  `¨ `   rfチyハイj
                 /.从          `¨.j lノ        妄想逞しい人魚の叫びと共にであるが
                  / \ 、 _' _,   ∧ハ
                   (  /ヽ  -‐ '             Buona notte!
              r‐厂`Y¨7 ` -===y′ー ´l- 、
             /::::::厂] / ー-  r‐ ' | | _ 」::::ハ
            /::::::::[ ̄] !rァ( _⌒_ ) ,j j_[:::::::::〉
           ノ::::::::::::ヽ「 7=ナ、 f⌒ヽ、jヽ-r‐t/::::::::\
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           >:::::::::::/::::::::::::ハ/ヽヘ/::::::::::: |::::::::::::::::::〉

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148 : 小さな名無しさん@この板は300レスまで (ワッチョイ 5438-f46b) : 2019/04/13(土) 22:03:58 ID:63kPyukY00


149 : 小さな名無しさん@この板は300レスまで (オッペケ 72bc-4e25) : 2019/04/13(土) 22:18:43 ID:LlDWXFbMSr
乙です

150 : 小さな名無しさん@この板は300レスまで (バックシ 3828-f46b) : 2019/04/13(土) 22:21:32 ID:8YB9zvUgMM
乙でした

151 : 小さな名無しさん@この板は300レスまで (ワッチョイ f45f-f46b) : 2019/04/13(土) 22:36:14 ID:k5zphsbA00
乙でしたー!

ハードボイルド小説を読んだような読後感

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